著者紹介

内容

目次

はじめに 序　章　「危機」の時代に １．人生の危機の心理学 ２．「発達的危機」の概念 第１章　コロナ時代に心を育てる・心をつなぐ １．「生命」というものの意味，亡くなられた方の後ろにあるそれぞれの人生 ２．社会と「普通の関わり」が持てない人の体験世界の共有 ３．「人と会う，対面する」ことの意味 ４．智慧の伝達と継承 ５．コロナ危機から何を学ぶか：「危機を経験する」ことの意味 第２章　「経験の語りを聴く」営み １．専門家アイデンティティを形成する３つの三位一体 ２.「経験」と何か ３.「聴く」とは何か 第３章　心の中に〈問い〉をもつ １．〈問い〉が生まれるところ：Unfitness の感覚と内的〈問い〉 ２．「異世界」の経験の意味 ３．「自己」を見る：禅 ４．「危機」の体験の語りを聴く：長島愛生園 ５．「こころ」に関わる：心理臨床 第４章　アイデンティティの危機から成人期の人生をとらえる 第１節　研究の視点とスタイル 第２節　「書く」ことについて 第３節　研究と臨床実践の軌跡 １．成人期の「発達的危機」：循環的発達論 ２．予期せぬ人生の危機：もう１つの「発達的危機」 ３．「危機からの回復」とは何か ４．ジェンダーやキャリアの視点から見た中年の危機 ５．「世代継承性」研究へ ６．心理臨床の場で「経験の語りを聴く」 第４節　世代を超えた「自己」とアイデンティティ 第５章　「教育的関係性」再考 第１節　「先生」の持つ意味：「先生と私」という不思議な出会い 第２節　プロフェッションの生成と深化：鑪幹八郎先生を偲ぶ １．わが国と広島大学の臨床心理学の発展 ２．鑪幹八郎先生の研究と臨床：大樹と夢 第３節　「師の人生の物語」からの省察：「私」が創られていく土台，その連続性と非連続性 １．はじめに ２．内的〈問い〉と「師」のもつ意味 ３．青年期に出会った「異文化」としての鑪先生 ４．「私」が形成されていく土台，その連続性と非連続性 ５．危機の体験とアイデンティティの断層を埋めるもの ６．アイデンティティの非連続性をつなぐもの ７．次世代へ受け継がれるもの ８．おわりに 第４節　次世代を育てる １．「ゼミ」の持つ意味 ２．時代の転換期にある心理学と心理臨床の将来へ向けて 第６章　「経験の語りを聴く」をめぐるディスカッション １．「牽引する機関士」とunfitness 山本 力 ２．「向き合う」ことから生み出される力 井川ひとみ ３．「鏡」とコミュニケーションをめぐって 奥田紗史美 ４．「発達臨床心理学」からコロナ禍での学生相談を考える 黄 正国 ５．10年間の“Face to Face”の関係性の経験から学ぶ 髙野恵代 ６．「研究する」ことと「自己に向き合う」こと 渡邉照美 第７章　「経験の語りを聴く」営みから生まれた「人生の危機」の研究 第１節　親子の出会いの危機を支える：周産期心理臨床の現場から　井川ひとみ 第２節　障害をもった子どもを育てる 井川ひとみ 第３節　愛する人を看取る 渡邉照美 第４節　犯罪被害によって愛する者を失った人の心の変容 太田美里 第８章　現代青年のアイデンティティ再考：青年の語りを聴く 第１節　青年期の脆弱性の根っこ：発達早期の要因 神谷真由美 第２節　現代青年のアイデンティティ：多面的な自己とアイデンティティ 木谷智子 第３節　現代青年のアイデンティティ再考：学生相談の現場から① 奥田紗史美 第４節　現代青年のアイデンティティ再考：学生相談の現場から② 熊野みき 補　章　「世代継承性」と「中年の危機」再考 第１節　書によって受け継がれる心とアイデンティティ 第２節　中年の危機を再考する：「企業と人材」インタヴュー 第３節　「中年危機」の心理学：Newton Press インタヴュー おわりに 引用文献 索　引