内容
高校までの数学と大学以降の数学の間に大きなギャップを感じる者は少なくない。
大学以降の数学は現代数学への入り口でもあるため、集合や写像といった言葉を用いて記述されるようになる。また、数学の本自体も高校までのものと比べると、行間が広い。さらに、命題や定理といった数学的な主張の証明は、公理や定義といったあらかじめ前提とされていることや言葉の意味を用いて行われる。
本書は、このようなことから生じる高校までの数学と大学以降の数学の間のギャップを埋めるための教科書である。
本書では、現代数学を理解する上で欠かすことのできない集合や写像に関する基礎的事項の解説から始め、関連する内容を、主に大学1年次で学ぶ微分積分や線形代数の中から、基礎的な計算問題や簡単な証明問題などを交えつつ述べていく。また、先の数学の学習のために必要となる基礎固めを目的とし、微分積分や線形代数については必ずしも標準的な内容を一通り扱ったり、それらを必要知識として仮定したりはせず、中には証明なしに定理を事実として認め、それを用いることも行っている。さらに、自学自習の役に資するべく、行間に関しては可能な限り何をどこで使うのかを述べ、「問」や「章末問題」にはすべて詳細な解答を用意した。
大学数学へ本格的に入門するための第一歩。解答付きの約300問を収録。手を動かしてしっかりと身につけよう!