内容
原子力発電所の安全を確実なものとするために、また、役目を終えた原子炉の廃炉を確実に進めるためには、照射材料科学の理解とそれに基づく工学的知識が必要不可欠である。
本書は、金属・合金材料の照射効果について、基礎から最新知見までを網羅した専門的教科書である。第1部では照射損傷過程に焦点を当て、衝撃粒子により生じる損傷と、生じる欠陥等を予測するための知見を提供する。第2部では照射の物理的効果を扱い、照射誘起偏析や、欠陥集合体の核形成と成長、照射下での相安定性などを取り上げる。照射損傷の機械的・環境的影響について扱った第3部では、照射下での硬化や変形、亀裂核形成などを述べる。照射、腐食、応力の組み合わせにより生じる影響も検討する。
各章には、照射効果の例や図解を多数掲載。また、章末の問題に取り組むことで、その章の主な概念への理解を深めることができる。
照射材料科学にかかわる研究者・技術者、必携の一冊。