内容
プログラミング言語の(形式的)意味論とは、プログラムの動作を数学によって厳密に定義し、その性質について議論するための枠組みのことである。プログラムを数学の俎上に載せることにより、プログラムやプログラミング言語を厳密に理解し、解析し、これらについて推論することができるようになる。この分野は近年実用化に向けて進んでいる形式手法の礎となり、またそれ自体、様々な数学概念が飛び交う興味深い一分野を形成してきた。
本書は、Winskelによるプログラミング言語意味論の世界的標準教科書の邦訳である。前提知識をできるだけ少なくしつつ、プログラムの意味を数学的に定義・議論するための手法が解説されている。本書により、プログラミング言語理論関係の専門的な文献を読むための基礎を学ぶことができる。本書で身につけた基礎知識は、プログラミング言語研究の成果を理解し応用するために役立つはずである。