内容
本書は、「よい証明はわかりやすい」、「よい証明を書きたかったらよい証明をたくさん読むべきである」をモットーとして、数学の授業でオンザジョブトレーニングで学ぶことの多い証明の書き方について解説する書籍である。
前半では、まず論理への導入を行い、それから自然演繹と呼ばれる形式化に基づいて、日本語表現に近い形で証明の構成法をできるだけ丁寧に説明し、述語についても述べる。証明の構造の理解が容易になるよう、プログラミングで用いる字下げを活用している。
後半では、前半で学んだことをベースとして、集合に関係する様々な問題に証明を与えていく。集合演算の基本的性質など、直観的に明らかな命題にも証明を与える。関係、写像、同値関係、順序について説明し、有向完備順序についても簡単に触れ、圏論で締めくくる。
大学で証明を必要とする学生のみでなく、証明の書き方を学びたいすべての人にとって大変重宝する書籍となろう。