すべての保険薬局で漢方薬の処方箋を応需しているといっても過言ではないほど、医療用漢方薬は普及しています。しかし、多くの薬剤師が漢方薬の処方意図の理解、患者への服薬指導など、苦手感を感じているといわれています。薬学部では、漢方薬の講義を必修で学んでいますが、単位取得および国家試験対策を目的した履修となりがちで、この時点から苦手意識が生まれているのではないでしょうか。これまで数多くの入門書が出版されていますが、今までの入門書では苦手克服というゴールを達成できずにいるひとは案外多いのではないでしょうか。そこで、ゴールへと導く「一冊目の入門書」となる本書をおすすめします。

Ⅰ．漢方薬の服薬指導の引き出し
■漢方薬の服薬指導の引き出し．上手な切り返し・気の利いた一言
・漢方薬というのは，苦くて飲みにくいのですよね？
・この漢方薬は，どれぐらい服用すると効果が出てきますか？
・いつまでこの薬を飲むのですか？
・お湯に溶かして飲んだ方が良いですか？
・西洋薬と同時に服用しても良いですか？
・食前に飲み忘れたときに，食後でも良いですか？
・飲んだら不正出血 OR 鼻出血が生じて調子が悪いですが，やめてもいいですか？
■子どもが飲めない漢方薬の工夫いろいろ

Ⅱ．総論
■漢方医学書の歴史
■漢方診察の総論（弁証）

Ⅲ．各論
■生薬単位で効能を知る
甘草／人参／黄耆／白朮と蒼朮／桂枝と桂皮／生姜と乾姜／大黄／麻黄／石膏
■小グループ単位での効能
茯苓＋朮 ／人参＋黄耆／半夏＋生姜（乾姜）／生姜＋大棗／桂皮＋甘草／人参＋甘草／陳皮＋半夏
■よくでる・よくみる漢方薬
五苓散／抑肝散／葛根湯／半夏瀉心湯／人参養栄湯／芍薬甘草湯／小建中湯
／半夏厚朴湯／柴陥湯／苓桂朮甘湯
■大切なアイカタ「漢方薬の合方」
めまい／パニック発作・過換気症候群／PTSD／過敏性腸症候群／膝関節痛・下肢痛 ／ギックリ腰／女性更年期障害 ／耳管狭窄症／極度の疲労倦怠