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病いのレジリアンス~ナラティヴにおける虚偽主題~

大塚 公一郎  著

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価格 \5,280(税込)         

発行年月 2023年04月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 11p,266p,20p
大きさ 22cm
ジャンル 和書/生命科学、医学、農学/神経・精神科学/神経科学
ISBN 9784772419512
商品コード 1035904358
NDC分類 493.7
基本件名 精神医学
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2023年05月4週
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1035904358

内容

著者は,人間学的精神医学や現象学的精神病理学,ラカン派の精神分析,近年注目されているナラティヴ・アプローチの交点に位置づけられるような領域研究と,自らが築きあげてきた精神療法家としての素地を柱とした臨床経験の精華として本書を書き上げた。

各論稿では,クラウス,ヤンツァーリク,ラカン,エランベルジェ,等,独仏の碩学の理論を止揚し,病いに苦しむ人の自己(身体),他者,世界との関係を明らかにしようと試みる。臨床の現場においては,精神病患者の語りに耳を傾け,患者の痛みと苦悩の内的世界を再構築し,現代における統合失調症・うつ病の病理を問うている。

さらに,本書にはいくつもの鍵概念が提示される。ひとつは、患者の〈虚偽主題 Lügenmotiv〉である。これは、うつ病や統合失調症等の病的体験に出現する「うそをついた」といった発言や自らの偽りの自白を指す。次に,具体的実践的な治療論への展開のために「自己回復力」とも大まかに理解される「レジリアンス」という概念を援用する。さらに,本書のタイトルにもなっている「ナラティヴ(語り)」については,物語(story)には病いを癒す力があり、そこでは、病者は物語の語り手としての能動的存在であり、語りと聴取をとおして、病者と聞き手とのあいだで、深い次元での共感と了解にもとづく紐帯が作り出されると述べる。

これら重要概念を解説しながら,著者自身の一貫した臨床研究テーマ「心の病いにとって治療とは何か?」に到達する。それは,物語論(ナラトロジー)の見地から,現象学的精神医学の再生を目論むことにもなるのである。

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