内容
月経前に「学校や仕事を休んでしまう」「勉強や仕事の能率が極端に落ちる」「家事が全くできない」「子どもを虐待してしまう」「暴言を吐いてしまう」「暴言や口論、人間関係のトラブルが増える」…、そしてこれらが元で離婚や退職を余儀なくされた女性たちを著者は何例も診てきた。DSM-5において、抑うつ障害群の下位診断名として独立した疾患となった月経前不快気分障害(PMDD)。欧米ではありふれた疾患という認識があるが、わが国ではPMDDを診たことがないという精神科医も少なからずいる。本書は、PMDDの基礎知識─歴史・疫学・原因(仮説)など──、診断、鑑別診断、治療、何科が診るべきか、などについて治療ガイドラインの作成にも関与してきた著者が、エビデンスと臨床経験を交え、明快に解説する。PMDDを、PMS(月経前症候群)や精神疾患の月経前の悪化ときちんと鑑別し、適切な治療を行うために必携の1冊。