内容
自閉スペクトラム症は、同じ発達障害でもあるADHDと比べて、理解されにくい。「そそっかしい」とか「粗忽」とか一般にわかりやすい言葉で特徴を言い表せるADHDと異なり、分かりやすく表現することが難しい。本書はこの理解しづらい自閉スペクトラム症を、全く何も知らない初学者でも理解できるように解説する。本書の著者は、乳幼児期から成人期に至るまでの発達障害を持つ人と二十余年にわたってかかわり続けているという、類を見ないほど幅広い臨床経験を積んできた。この貴重な経験を後進の人たちに還元したいという強い思いから本書を出版することとなった。発達障害をもつ人の特有の考え方を理解し、支援する際に重視すべき実践のポイントを実感できるよう、多くの事例やたとえ話が盛り込まれている。本書は、自閉スペクトラム症について著者が日々話している教育的話題の総まとめである。