内容
姉さんはブラックホール、
姉さんは倒れてくる木、
姉さんは海。
彼女がいなかったら、わたしは一人の人間ではない。
マン・ブッカー賞史上最年少候補となり、
シャーリイ・ジャクスンとスティーヴン・キングの
申し子と称賛された新鋭による、
一篇の詩のように忘れがたい物語
絵本作家の母に育てられた、9月生まれのセプテンバーと、翌年7月生まれのジュライ。内気で意志の弱いジュライは、貪欲で残忍な姉の支配下に置かれているが、二人の絆は他の誰も必要としないほど強いものだった。彼女たちは春先に学校で起きたある事件をきっかけに、オックスフォードから亡父が生まれ育った〈セトルハウス〉へと引っ越してきたが、それを機にジュライの中には奇妙な違和感が芽生える……最年少でブッカー賞候補となった俊英による、一編の詩のように忘れがたい物語。