内容
沖縄が米国から日本に返還されてから半世紀が経った。佐藤栄作首相とニクソン大統領が返還に合意したとき、国民を欺く「密約」が交わされていた――。その「密約」とは何か?本土並みの返還、すなわち「核抜き」のはずなのに、緊急時には米国の核兵器を再び持ち込むことを日本が認めたのだ。この密約にかかわる新たな文書が複数見つかった。見つけたのは朝日新聞編集委員の著者。佐藤首相の「密使」を務めた若泉敬氏の直筆とみられる。日米首脳会談を演出する、新文書の「若泉シナリオ」を、本書では全文掲載する。その内容・意味を解明し、若泉氏の全貌に迫る。さらに西山太吉氏(元毎日新聞記者)へのインタビューも収録。もう一つの密約である「日本による費用肩代わり」の問題を追及し、外務省の女性事務官とともに逮捕・起訴された西山氏。闘いは生涯続いた。逝去半年前にその「執念」を語ってくれた。〈目次より〉プロローグ 空前絶後の日米首脳会談第1章 見つかった「若泉文書」 ?国際政治学者・若泉敬 ?「若泉シナリオ」を読み解く ?密約調査の有識者は ?岡田克也氏との対話第2章 「沖縄密約」前後 ?「基地研文書」 ?若泉氏とソ連、中国第3章 西山太吉氏の執念 ?極秘の「井川書簡」 ?西山氏へのインタビュー全文エピローグ 二人の人生と日本の行方