内容
計算力学は、変形・振動・熱伝導などの力学現象をコンピュータ上で解析する内容である。解析実行の際は、離散化手法といわれる基礎方程式を代数方程式に変換する手法を行い、計算条件を正しく設定する必要がある。本書は、離散化手法をはじめとする計算力学の各種手法を理解した上で、自ら解析を実行できるスキルの習得を目的とする。
解説は、さまざまな学習背景(高専からの編入生や留学生等)を持つ学生への配慮として土台となる数値解析から始める。基礎の徹底を図り、盤石な土台を形成することが計算力学の根幹をなす有限要素法の学習にスムーズに繋がる。有限要素法では、必要不可欠な項目を精選してまとめた上で丁寧な数式展開を行うことにより、確実な理解を得られるようにする。終盤には、将来への橋渡しとして最適設計(形状最適化やトポロジー同定)を紹介する。最適設計は、3Dプリンタの普及により今後の進展が期待されている分野である。
プログラミング言語は「Fortran」および「MATLAB」を使用する。講義で学習する言語は1つと想定されるが、「Fortran」と「MATLAB」を可能なかぎり互換性を保ったまま同問題で解説をすることにより他方の言語も紐付けて参照しやすい工夫をしている。