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スターリンの図書室~独裁者または読書家の横顔~
ジェフリー・ロバーツ
著
松島 芳彦
翻訳
発行年月 |
2023年08月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
393p,66p |
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大きさ |
20cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/哲学/概論・参考図書 |
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ISBN |
9784560093597 |
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商品コード |
1036310319 |
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NDC分類 |
289.3 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2023年09月2週 |
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書評掲載誌 |
日本経済新聞 2023/08/26、毎日新聞 2023/09/09、毎日新聞 2023/12/23 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1036310319 |
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著者紹介
ジェフリー・ロバーツ(著者):Geoffrey Roberts
アイルランドの歴史家、伝記作家。ユニバーシティ・カレッジ・コークの歴史学名誉教授、王立アイルランド・アカデミー会員。ロシアとソ連の外交・軍事政策、スターリンと第二次世界大戦の専門家。『スターリンの将軍ジューコフ』(白水社)で軍事史協会優秀図書賞を受賞。
松島 芳彦(翻訳):ジャーナリスト。主要著訳書:メリデール『イワンの戦争:赤軍兵士の記録1939―45』、『クレムリン:赤い城塞の歴史 上下』、トーブマン『ゴルバチョフ:その人生と時代 上・下』、マクフォール『冷たい戦争から熱い平和へ:プーチンとオバマ、トランプの米露外交 上・下』、ヒギンボタム『チェルノブイリ:「平和の原子力」の闇』(以上、白水社)、『プーチンの過信、誤算と勝算:ロシアのウクライナ侵略』(早稲田大学出版部)
内容
スターリンの蔵書は、マルクス、エンゲルス、レーニンの著作はもとより、トロツキーなどの政敵の著作から、ビスマルクやマキャヴェッリなどの古典、トルストイ、ドストエフスキー、ゴーゴリ、チェーホフなどのロシア文学、シェイクスピア、セルバンテスなどの外国古典文学に至るまで、読書の幅はきわめて広い。また、スターリンが興味深く読んだと思われる本には、多数の書き込みが残されていた。本書は、スターリンの膨大な蔵書と書き込みを精査して、その生涯と思索の跡をたどりながら、独裁者の本質に迫る試みだ。
逸話を紹介しよう。旧ソ連首相ルイシコフは、スターリンの蔵書であったマキャヴェッリ『君主論』を入手した。頁にびっしり書き込みが残り、まるで「独裁者の教科書」のようであったという。スターリンが下線を引いた文章を全て抜き出し、整理して出版したら、スターリンによる「マキャヴェッリ概論」になるほどだったと回顧する。
なぜ「知的な読書家」が無用な血を流したのか? 本書は、独裁者の図書室に入室して、その思想と信条から、革命と戦争、国政と外交に及ぼした影響、人格と感情の内奥にまで踏み込む。英の歴史家による、新趣向の伝記。