内容
家政婦と女中はどう違う?
家政婦は歴史上、いつから家政婦と呼ばれるようになったのか?
2022年9月、ある家政婦の過労死裁判をめぐって、日本の労働法制の根本に潜む大きな矛盾に気づいた労働政策研究者の著者は、その要因の一端を、市原悦子演じるドラマ『家政婦は見た!』に見出し、家政婦をめぐる歴史をひも解くことを決意した。
戦後80年近くにわたって、労働法学者や労働関係者からまともに議論されることなく放置されてきた彼女たちのねじれた歴史を、戦前に遡って描き出す驚くべき歴史の旅程。
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濱口佳一郎(はまぐち・けいいちろう)
1958年、大阪府生まれ。東京大学法学部卒業後、労働省、欧州連合日本政府代表部一等書記官、衆議院調査局厚生労働調査室事績調員、東京大学客員教授、政策研究大学院大学教授を経て、現在、労働政策研究・研修機構の首席統括研究員。日本型雇用システムの問題点を中心に、労働問題について幅広く論じている。著書に『新しい労働社会――雇用システムの再構築へ』(岩波新書)、『若者と労働――「入社」の仕組みから解きほぐす』(中公新書ラクレ)、『日本の雇用と中高年』(ちくま新書)、『働く女子の運命』(文春新書)、『ジョブ型雇用社会とは何か――正社員体制の矛盾と転機』(岩波新書)など。