熱力学(物理の第一歩)
𠮷田 英生 著
内容
目次
第1章 出発に際しての準備 熱力学第0法則 1.1 なれ親しんだ日常的概念から厳密な理解へ 1.2 熱力学で考える「物質」 1.3 熱力学で考える「系」 1.4 熱平衡と熱力学第0法則 1.5 状態量 1.6 温度(その1):身近さとむずかしさと 1.6.1 温度目盛 1.6.2 後述する各種の温度とその記号 1.7 圧力 章末問題 第2章 熱と仕事の共通性へ 熱力学第1法則(1) 2.1 内部エネルギー 2.2 仕事 2.3 熱と仕事 2.4 熱力学第1法則 2.5 微小変化に対する熱力学第1法則 2.6 熱容量:熱による温度変化にかかわる基本量 2.7 熱力学における過程 2.8 熱力学第1法則の成立まで 2.9 仕事率 章末問題 第3章 基本的な関係式と状態変化 熱力学第1法則(2) 3.1 熱力学第2法則に向かう前に 3.2 ボイル-シャルルの法則と理想気体 3.3 温度(その2):理想気体温度 3.4 理想気体の状態方程式 3.5 状態量の間の関係と微分演算 3.6 定積熱容量と定圧熱容量 3.7 定圧変化を簡単に表現できるエンタルピー 3.8 物質の圧縮と膨張 3.9 理想気体における状態変化 3.9.1 ジュールの実験 3.9.2 定積熱容量と定圧熱容量の関係 3.9.3 定積・定圧・等温・断熱の各変化 章末問題 第4章 熱の特殊性へ 熱力学第2法則(1) 4.1 熱機関とサイクル 4.2 永久機関は可能か? 4.3 熱力学の世界が大きく動いた1850年前後 4.4 カルノーの原理 4.5 カルノー熱機関,カルノー・サイクル(理想気体の場合) 4.6 熱力学第1法則と相補う熱力学第2法則の確立 4.6.1 クラウジウスの原理とトムソンの原理 コラム:熱力学第2法則の2つの表現を原文(英文)で味わってみよう 4.6.2 カルノー/クラウジウス/トムソン各原理:各関係性理解の前に 4.6.3 可逆熱機関のサイクルを逆転させた可逆熱機関 4.6.4 トムソンの原理とカルノーの原理 4.6.5 クラウジウスの原理とカルノーの原理 4.6.6 トムソンの原理とクラウジウスの原理 4.6.7 物理基本法則としてのカルノー/クラウジウス/トムソン各原理 4.6.8 カルノー・サイクルの逆転サイクルの熱機関 コラム:身近な圧縮式熱機器 4.7 温度(その3):熱力学的温度 章末問題 章末自由課題 第5章 エントロピーの導入と変化の方向 熱力学第2法則(2) 5.1 熱力学第2法則の数学的表現に向けて 5.2 カルノー・サイクルから一般の可逆サイクルと非可逆サイクルへ 5.2.1 p-V図上でのカルノー・サイクル 5.2.2 p-V図上での一般の可逆サイクル 5.2.3 一般の非可逆過程:クラウジウスの不等式 5.3 新たな状態量としてエントロピーの導入 5.4 T-S図上での状態量の変化 5.4.1 T-S図上でのカルノー・サイクル 5.4.2 T-S図上での一般の可逆サイクル 5.5 エントロピーによる熱力学第2法則の定式化 5.6 理想気体におけるエントロピー 5.7 非可逆過程におけるエントロピー変化の例 5.7.1 熱伝導にともなうエントロピー発生 5.7.2 理想気体の自由膨張にともなうエントロピー発生 章末問題 第6章 自由エネルギーの導入と平衡 熱力学第2法則(3) 6.1 エントロピーを出発点に位置づけた熱力学の展開 6.2 ルジャンドル変換と4種類のエネルギー(熱力学関数) 6.3 定圧変化におけるエンタルピーと等温変化における自由エネルギー 6.4 マクスウェルの関係式 6.5 マクスウェルの関係式の応用:エネルギーの方程式と熱容量 6.6 熱力学第2法則から導かれる自由エネルギーと平衡の関係 6.6.1 孤立系での平衡 6.6.2 等温系での平衡 章末問題 第7章 気体-液体間の連続的変化 共通的な特性と一元的な状態方程式 7.1 諸物質の特性 7.1.1 これまでの気体中心の系から液体をも含む系へ 7.1.2 純物質の状態変化 コラム:工学分野での専門用語 7.2 内部エネルギーあるいはエンタルピーが一定の場合の気体の変化 7.2.1 ジュールの自由膨張の実験に関する温度変化 7.2.2 ジュール-トムソンの実験 7.2.3 ジュール効果・ジュール-トムソン効果を発現しない理想気体と,液体状態への接近にともなう両効果の発現 7.3 気体と液体を一元的に表すファン・デル・ワールスの状態方程式 7.3.1 理想気体の状態方程式から体積と圧力に関する補正 7.3.2 臨界点の値で規格化したp-V図――対応状態の法則 7.3.3 気液共存領域の決定 章末問題 第8章 相平衡と相変化 気体-液体-固体の状態を決める基本原理 8.1 熱力学法則・諸関係式の普遍性と物質の状態方程式 8.2 相の平衡 8.2.1 化学ポテンシャル 8.2.2 気液2相平衡の条件 8.3 化学ポテンシャル/ギブズの自由エネルギーの性質と物質のp-T図 8.3.1 化学ポテンシャル/ギブズの自由エネルギーと気体-液体-固体の変化 8.3.2 p-T図上での相の境界と相律 8.4 クラペイロン-クラウジウスの式 8.5 熱力学を身近な現象に適用してみよう――登山に関する熱力学 章末問題 付録A ファン・デル・ワールスの状態方程式に関する補足 A.1 ファン・デル・ワールスの状態方程式とギブズの自由エネルギー A.2 ファン・デル・ワールスの状態方程式とヘルムホルツの自由エネルギー A.3 ファン・デル・ワールスの状態方程式における準安定状態 A.4 熱力学関数の性質とル・シャトリエの原理. 付録B よく用いる関係式 B.1 全微分と偏微分に関する式 B.2 熱力学第1法則に関する式 B.3 4つの熱力学関数に関する式 B.4 理想気体に関する式 付録C 物質の性質に関するデータ 章末問題略解 あとがき 索 引
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