内容
今回の新版では, 旧版を詳細に調べ, 多くのミスや語句・記号を訂正し充実を計った.本書は図形を見ながら考えることに主眼をおいている.群の基礎理論からはじめ,前半では図形の対称性を群で記述する事を論じる.くり返し文様の群や鏡映の群が魅惑的に出現する.後半では主として基本群と被覆面の理論を解説する. これは眼で見るガロア理論とよばれる一種のモデルの話である.図形的な見方はガロア理論を学ぶとき,その本質的部分に対する理解を非常に容易にするだろう. 実例を重要視し,実例を観察した上で命題の証明を自分で試み,最後に実例にあてはめつつ証明を読めば,理解は完全に出来ることを本書は試している.