内容

目次

はじめに 第１章　前二二〇年　帝国と世界史の誕生 　１　変わりゆく地中海世界　　ローマ帝国はいかにして誕生し、帝国へ向かったか 　view point 「帝国の民となる、帝国に生きる」　　ローマ帝国に学ぶ、支配のシステム構築方法 　２　消滅するヘレニズム世界 ローマはアレクサンドロスの大帝国をどのように取り込んだか 　３　「中華帝国」の誕生　 古代中国における理想の天下統一の姿 第２章　三七八年　失われた古代帝国の秩序 　１　ローマ的世界秩序の崩壊　　西ローマ帝国はなぜ滅びたか 　view point　西ヨーロッパ世界の再編 フランク王国とキリスト教 　view point　ビザンツ的世界秩序の形成 東ローマ帝国はなぜ滅びなかったのか 　２　漢帝国以降の多元的世界 　漢帝国崩壊後のパワーバランスの変化をみてみよう 　３　江南開発と南朝中心の世界秩序の構築 辺境の地から経済の中心地となった中国江南 第３章　七五〇年　普遍世界の鼎立 　１　イスラーム世界の出現　 部族の宗教から世界の宗教へ 　２　西方キリスト教世界の形勢　 教皇は王に権威を与え、王はキリスト教世界を守る 　view point　ビザンツ皇帝の帝国統治と世界認識 　 八～十世紀のビザンツ帝国 　３　長安七五一年ーーユーラシアの変貌 農牧複合国家の出現 第４章　　一一八七年　巨大信仰圏の出現 　１　巨大信仰圏としての十字軍 サラディンによるイェルサレム奪回への道 　２　セルジューク朝の覇権とイスラーム信仰圏の分岐 広大な領域を支配した軍人国家セルジューク朝 　３　イスラームとインドのフロンティア ヒンドゥー教徒を融和的に支配するイスラーム支配者 　４　仏教王ジャヤヴァルマン七世治下のアンコール朝 国王のカリスマ性による統治システムの強化 　view point　ユーラシア東部における「唐宋変革」期　　新しい東アジアの捉え方で十二世紀をみる 第５章　一三四八年　気候不順と生存危機 　１　中東社会とペスト禍・自然災害 複合的な災害の被害とその対処方法 　２　十四世紀ヨーロッパのペスト　 七〇〇年前も同じだった疫病大流行の恐怖 　３　モンゴル帝国の覇権と解体過程、そのインパクト　 ユーラシアに広がった大帝国の多極化 　４　元明交替の底流 自然災害を克服するために政府の考えた打開策とは 　view point　東南アジアの十四世紀と気候不順 　 解体と再編の大変動の時代 第６章　一五七一年　銀の大流通と国家統合 　１　スペインのマニラ建設 　東アジアとアメリカ大陸をつなげたガレオン貿易 　２　北虜問題と明帝国 　 辺境社会の動きと銀の流れの相関関係をみる 　３　ムガル帝国の形成と帝都ファトゥフプルの時代 アクバルによる主権国家体制への道 　４　東地中海のオスマン帝国とヴェネツィア人　 イスラーム法のもとに構築した「世界の一体化」 　５　宗教戦争と国家統合　 宗教より国家の安定を優先させたフランス王国 　view point　ドレイクの世界周航と掠奪行為の変容 海洋国家イギリスを支えた海賊の活動 第７章　一六八三年　近世世界の変容 　１　アジア海上貿易の転換 オランダ東インド会社と中国商人のネットワーク 　view point　あるアルメニア人改宗者の遍歴にみる宗教と近世社会 十七世紀の交易ネットワーク 　view point　海賊と先住民に悩まされるスペイン領ユカタン植民地 十七世紀スペインの中南米植民地の状況 　２　中国福建省の社会空間 明朝から清朝への交替期を生きた人々 　３　近世西欧諸国のアメリカ植民地体制における法と経済 大英帝国の道を開いたイギリスの重商主義と航海法 第８章　一七八九年　自由を求める時代 　１　近代への転換点であるフランス革命 「自由」とは何か 　２　毛皮が結ぶ太平洋世界 ロシアの一大産業、毛皮貿易の隆盛と領土拡大 　３　スコットランドの自由貿易運動 「自由」を求めてイギリス東インド会社の独占と闘った人 　４　東南アジアの海賊と「華人の世紀」 東南アジアにおける貿易の自由とは 　５　インド洋西海域と大西洋における奴隷制・交易廃絶の展開 自由を求める時代と奴隷制廃絶運動の矛盾 第９章　一八六一年　改革と試練の時代 　１　危機のなかの清朝 内憂外患のなかでの模索 　２　岐路に立つタンズィマート 守旧派と改革派の対立のなかで近代化に向かうオスマン帝国 　３　陸軍大臣ミリューチンの回想 皇帝と開明派官僚による改革 　４　ポサドニック号事件の衝撃 世界のなかの幕末の日本 　５　イタリア統一と移民 国家統一と国民の生活向上は別もの 第10章　一九〇五年　革命のうねりと連帯の夢 　１　サッタール・ハーンのイラン立憲革命 イラン立憲革命の英雄 　２　「ロシア・ムスリム」の出現 地域や身分を超えたロシアのなかのムスリムの連帯 　３　イクバールのロンドン 英領インドからの独立に向けたヒンドゥーとムスリムの知識人たち 　４　転換期の憲法 青年トルコ革命とオスマン帝国領の独立の動き 第11章　一九一九年　現代への模索 　１　パリ講和会議とロシアの内戦　　革命後のロシア情勢 　２　胎動する巨大国家アメリカ 世界に強い影響力をおよぼすアメリカ 　３　ナチズムという選択 ヴァイマル共和国の政治状況とナチ党の拡大 　４　近代国家像の模索　 中国国民党指導者達が描く近代国家像 歴史の転換期　座談会 おわりに