新井　恵美子（著者）：昭和１４年、平凡出版（現マガジンハウス）創立者、岩掘喜之助の長女として東京に生まれ、疎開先の小田原で育つ。学習院大学文学部を結婚のため中退。日本ペンクラブ会員。日本文芸家協会会員。平成８年「モンテンルパの夜明け」で潮賞ノンフィクション部門賞受賞。
著書に「岡倉天心物語」（神奈川新聞社）、「女たちの歌－時代を映す「地上の星」の肖像」（光文社）、「少年たちの満州－満蒙開拓青少年義勇軍の軌跡」（論創社）、「美空ひばりふたたび」「七十歳からの挑戦電力の鬼松永安左工門」「八重の生涯」「パラオの恋芸者久松の玉砕」「官兵衛の夢」「死刑囚の命を救った歌」「『暮しの手帖』花森安治と『平凡』岩掘喜之助」（以上北辰堂出版）、「昭和の銀幕スター１００列伝」「私の『曽我物語』」「雲の流れに－古関裕而物語」「戦争を旅する」「老いらくの恋－川田順と俊子」（以上展望社）ほか多数。

NHK「連続テレビ小説」2023年度後期放送、第109作『ブギウギ』のモデル笠置シヅ子－ブギの女王、そして喜劇人として一世を風靡した彼女の波乱万丈の人生を著者は愛あふれる筆でたどる！！

（著者あとがき）より抜粋
戦争が終った頃、私は田舎の小学校の三年生だった。私達は「東京ブギウギ」が好きだった。
「東京プギウギ」を歌っていると気持が明るくなって、お腹が空いている事も、モノがない事も忘れて、心が晴れ晴れした。
私達は笠置シヅ子の声も好きだった。私達のような子どもにさえ、笠置シヅ子のやさしさは分かった。
皆がはげまされて、戦後を生きて来た。そんな歌がプギだった。
遠い日のあの歌声をこの拙い本で追いかけてみた。