ホーム > 商品詳細

書評掲載
丸善のおすすめ度

密航のち洗濯~ときどき作家~

宋 恵媛, 望月 優大  著

田川 基成  イラスト
在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日  数量 冊 
価格 \1,980(税込)         

発行年月 2024年01月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 318p 図版8枚
大きさ 19cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/日本文学
ISBN 9784760155569
商品コード 1037881299
NDC分類 910.268
個人件名 尹/紫遠
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2024年02月2週
書評掲載誌 日本経済新聞 2024/02/10、毎日新聞 2024/02/17、朝日新聞 2024/05/04
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1037881299

著者紹介

宋 恵媛(著者):博士(学術)。著書に『「在日朝鮮人文学史」のために──声なき声のポリフォニー』(岩波書店、2014年/ソミョン出版、2019年[韓国])、編著に『越境の在日朝鮮人作家 尹紫遠の日記が伝えること』(琥珀書房、2022年)、『在日朝鮮女性作品集』(緑蔭書房、2014年)、『在日朝鮮人文学資料集』(緑蔭書房、2016年)等。
望月 優大(著者):ライター。著書に『ふたつの日本——「移民国家」の建前と現実』(講談社現代新書、2019年)。認定NPO法人難民支援協会が運営するウェブマガジン『ニッポン複雑紀行』の編集長を務める。様々な社会問題に取り組む非営利団体の支援にも携わっている。
田川 基成(イラスト):写真家。長崎県出身。土地と記憶、移民と文化などをテーマに作品を撮る。千葉に暮らすムスリムのバングラデシュ移民家族の5年間の生活を写した「ジャシム一家」で第20回三木淳賞。故郷・長崎の離島沿岸部への約4年に渡る旅を記録した写真集『見果てぬ海』(赤々舎)で2022年日本写真協会新人賞を受賞。『ニッポン複雑紀行』で撮影を担当する。

内容

1946年夏。朝鮮から日本へ、
男は「密航」で海を渡った。
日本人から朝鮮人へ、
女は裕福な家を捨てて男と結婚した。
貧しい二人はやがて洗濯屋をはじめる。

【本書の内容】
朝鮮と日本の間の海を合法的に渡ることがほぼ不可能だった時代。それでも生きていくために船に乗った人々の移動は「密航」と呼ばれた。

1946年夏。一人の男が日本へ「密航」した。彼が生きた植民地期の朝鮮と日本、戦後の東京でつくった家族一人ひとりの人生をたどる。手がかりにしたのは、「その後」を知る子どもたちへのインタビューと、わずかに残された文書群。

「きさまなんかにおれの気持がわかるもんか」

「あなただってわたしの気持はわかりません。わたしは祖国をすてて、あなたをえらんだ女です。朝鮮人の妻として誇りをもって生きたいのです」

植民地、警察、戦争、占領、移動、国籍、戸籍、収容、病、貧困、労働、福祉、ジェンダー、あるいは、誰かが「書くこと」と「書けること」について。

この複雑な、だが決して例外的ではなかった五人の家族が、この国で生きてきた。

蔚山(ウルサン)、釜山、山口、東京――
ゆかりの土地を歩きながら、100年を超える歴史を丹念に描き出していく。ウェブマガジン『ニッポン複雑紀行』初の書籍化企画。

【洗濯屋の家族】
[父]尹紫遠 ユン ジャウォン
1911‐64年。朝鮮・蔚山生まれ。植民地期に12歳で渡日し、戦後に「密航」で再渡日する。洗濯屋などの仕事をしながら、作家としての活動も続けた。1946-64年に日記を書いた。

[母]大津登志子 おおつ としこ
1924‐2014年。東京・千駄ヶ谷の裕福な家庭に生まれる。「満洲」で敗戦を迎えたのちに「引揚げ」を経験。その後、12歳年上の尹紫遠と結婚したことで「朝鮮人」となった。

[長男]泰玄 テヒョン/たいげん
1949年‐。東京生まれ。朝鮮学校、夜間中学、定時制高校、上智大学を経て、イギリス系の金融機関に勤めた。

[長女]逸己 いつこ/イルギ
1951年‐。東京生まれ。朝鮮学校、夜間中学、定時制高校を経て、20歳で長男を出産。産業ロボットの工場(こうば)で長く働いた。

[次男]泰眞 テジン/たいしん
1959‐2014年。東京生まれ。兄と同じく、上智大学卒業後に金融業界に就職。幼い頃から体が弱く、50代で亡くなった。

目次

カート

カートに商品は入っていません。