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グローバリスト~帝国の終焉とネオリベラリズムの誕生~
クィン・スロボディアン
著
原田 太津男,
尹 春志
翻訳
発行年月 |
2024年02月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
496p |
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大きさ |
20cm |
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ジャンル |
和書/社会科学/経済学/経済学説・経済思想 |
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ISBN |
9784560093986 |
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商品コード |
1037973609 |
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NDC分類 |
331.7 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2024年04月1週 |
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書評掲載誌 |
朝日新聞 2024/05/11 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1037973609 |
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著者紹介
クィン・スロボディアン(著者):Quinn Slobodian1978年生まれ。カナダ出身の歴史学者。2008年、米ニューヨーク大学PhD。米マサチューセッツ州ウェルズリー・カレッジ歴史学教授を経て、現在、ボストン大学パーディー・スクール国際関係史教授。専門は、ドイツ史および国際関係史。本書のほかに、次の単著(近刊も含む)がある。Foreign Front: Third World Politics in Sixties West Germany (Durham, NC: Duke University Press, 2012); Crack-Up Capitalism: Market Radicals and the Dream of a World Without Democracy (New York: Metropolitan Books, 2023), Race, Gold and IQ: Hayek’s Bastards and the Rise of the New Fusionism(forthcoming).
原田 太津男(翻訳):1964年生まれ。大阪市立大学経済学研究科博士後期課程退学。現在、龍谷大学経済学部教授。専攻は世界経済論。共著に『貧困緩和・解消の国際政治経済学』(築地書館、2005年)、Transnational Migration and Human Security (Springer, 2011)、『批判的安全保障論』(法律文化社、2022年)、共訳書に、S・サッセン『グローバル空間の政治経済学』(岩波書店、2004年)、A・H・アムスデン『帝国と経済発展:発展途上世界の興亡』(法政大学出版局、2011年)など。
尹 春志(翻訳):1967年生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士後期課程退学。現在、西南学院大学経済学部教授。専攻は世界経済論。最近の論文に「ドイツの金融化とEUの中心‐周辺関係:企業金融の変容と国際資本フロー」『西南学院大学経済学論集』54巻3・4号(2020年)、共訳書に、I・ウォーラステインほか『世界システム論の方法』(藤原書店、2002年)、S・サッセン『グローバル空間の政治経済学』(岩波書店、2004年)、A・H・アムスデン『帝国と経済発展:発展途上世界の興亡』(法政大学出版局、2011年)など。
内容
本書は、1920年代から現在に至るまで百年にわたる国際政治経済史を背景に据えながら、この40年、散々語り尽くされてきたように思われるネオリベラリズムの起源と発展に関して、理論的にも歴史的にも新たな光を当てる試みである。
ネオリベラリズムというとき、その焦点はアメリカのシカゴ学派に置かれるが、本書は、ジュネーヴ学派という、これまで顧みられなかった思想家群像に注目している。
とりわけ重要なのは、ネオリベラル理論の核心が制度設計に置かれていたということである。それは、ハプスブルク帝国の灰塵を揺籃とした、その出自に刻印されていた。すなわち、帝国後の世界にふたたび秩序をもたらすことが目的の思想運動だったのである。その際、脱植民地化と民主化の波といかに対峙するかがこの運動には重要だった。
本書が提示するのは、1920年代ウィーンのミーゼス・サークルに始まり、1980年代にWTOの創設で絶頂を迎える、三世代にまたがる思想家たちの物語である。国民国家(インぺリウム)と世界経済(ドミニウム)を融合させる連邦を夢見た者たちの勝利ではなく、敗北の軌跡。