著者紹介
松浦 寿輝(著者):1954年生。詩人、小説家、東京大学名誉教授(フランス文学・表象文化論)。1988年『冬の本』で高見順賞、95年『エッフェル塔試論』で吉田秀和賞、96年『折口信夫論』で三島由紀夫賞、『平面論』で渋沢・クローデル賞平山郁夫特別賞、2000年『知の庭園』で芸術選奨文部大臣賞、同年「花腐し」で芥川賞、2005年『あやめ 鰈 ひかがみ』で木山捷平文学賞、同年『半島』で読売文学賞、2009年『吃水都市』で萩原朔太郎賞、2014年『afterward』で鮎川信夫賞、2015年『明治の表象空間』で毎日芸術賞、2017年『名誉と恍惚』で谷崎潤一郎賞とBunkamuraドゥマゴ文学賞、2019年日本芸術院賞、同年『人外』で野間文芸賞を受賞。著書に『川の光』『不可能』『わたしが行ったさびしい町』『無月の譜』『香港陥落』など。
沼野 充義(著者):1954年生。スラブ文学者。名古屋外国語大学教授、東京大学名誉教授。2002年『徹夜の塊 亡命文学論』でサントリー学芸賞芸術・文学部門、2004年『徹夜の塊 ユートピア文学論』で読売文学賞を受賞。著書に『屋根の上のバイリンガル』『世界文学から/世界文学へ』『チェーホフ 七分の絶望と三分の希望』『徹夜の塊3 世界文学論』など、訳書にアントン・チェーホフ『新訳 チェーホフ短篇集』スタニスワフ・レム『ソラリス』ウラジーミル・ナボコフ『賜物』ミハイル・シーシキンほか『ヌマヌマ』(沼野恭子と共訳)など。
田中 純(著者):1960年生。表象文化論(イメージ論・思想史)。東京大学大学院総合文化研究科教授。2002年『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』でサントリー学芸賞、2008年『都市の詩学』で芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞、2009年『政治の美学』で毎日出版文化賞を受賞。2010年フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞受賞。著書に『残像のなかの建築』『都市表象分析I』『ミース・ファン・デル・ローエの戦場』『冥府の建築家』『過去に触れる』『歴史の地震計』『デヴィッド・ボウイ』『イメージの記憶(ルビ:かげ)』など。
内容
二つの世界大戦から、革命と共産主義、無意識とセクシュアリティ、言語論的転回、アメリカの亡命者たち、映画と精神分析とファシズム、ホロコーストの記憶、構造主義、「歴史の終わり」、情報テクノロジーの進展、世界文学、そして「廃墟としての未来」まで……時代の転回期に「二〇世紀の夢」を振り返る徹底討議。
■目次
第一回 世紀の開幕
第二回 世界内戦1.0
第三回 革命と共産主義
第四回 無意識とセクシュアリティ
第五回 言語論的転回とその〈谺〉
第六回 亡命者たちのアメリカ
第七回 「映像」の運命
第八回 世界内戦2.0
第九回 批評の革新
第十回 エイティーズ 『空白』の時代
第十一回 インターネットの出現
第十二回 〈世界文学〉のために
後記