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アートワーカーズ~制作と労働をめぐる芸術家たちの社会実践~

ジュリア・ブライアン゠ウィルソン  著

高橋沙也葉, 長谷川新, 松本理沙, 武澤里映  翻訳
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価格 \4,180(税込)         

発行年月 2024年03月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 345p,63p
大きさ 22cm
ジャンル 和書/人文科学/芸術/美術理論・美術史
ISBN 9784845923083
商品コード 1038061868
NDC分類 702.53
基本件名 アメリカ美術-歴史
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2024年05月1週
書評掲載誌 日本経済新聞 2024/05/18
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1038061868

著者紹介

ジュリア・ブライアン゠ウィルソン(著者):現在、コロンビア大学美術史・考古学部教授、ジェンダー・セクシュアリティ研究科教員。芸術的労働の問題、フェミニズム・クィア理論、工芸史などを研究している。近刊に『アート・イン・ザ・メイキング:アーティストとマテリアル、スタジオからクラウドソーシングまで(Art in the Making: Artists and Their Materials from the Studio to Crowdsourcing)』(グレン・アダムソンとの共著、シカゴ大学出版局、2017年、未邦訳)、『ほつれ:芸術とテキスタイルの政治学(Fray : Art and Textile Politics)』(シカゴ大学出版局、2017年、未邦訳)や『ルイーズ・ネヴェルソンの彫刻:ドラァグ、色彩、合流、顔(Louise Nevelson’s Sculpture : Drag, Color, Join, Face)』(イェール大学出版局、2023年、未邦訳)などがある。また、2013年には『オクトーバーファイルズ:ロバート・モリス(OCTOBER Files: Robert Morris)』(MIT Press,…
高橋沙也葉(翻訳):京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程、および日本学術振興会特別研究員(DC1)。1960年代末の彫刻とその記録を中心に、アメリカと日本のアートシーンの交差の研究を行う。
長谷川新(翻訳):インディペンデントキュレーター。「クロニクル、クロニクル!」「不純物と免疫」「約束の凝集」「SEASON2」など展示企画多数。ベトナム戦争を軸に「日本戦後美術」を再検討する「イザナギと呼ばれた時代の美術」をTokyo Art Beatで不定期連載中。
松本理沙(翻訳):京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。岡山大学等非常勤講師。アメリカにおける1970年代から90年代のパブリックアート研究を行う。おもな論文に「ホームレスとの協働からみるクシシュトフ・ヴォディチコ《ホームレス・ヴィークル》──機能性の考察を通して」『表象』第16号(2022年)。
武澤里映(翻訳):兵庫県立美術館学芸員、大阪大学大学院文学研究科博士前期課程在籍。日本におけるハプニングの受容をおもな対象に、エフェメラルな作品の記録や伝播に関心をもつ。

内容

混乱の時代、芸術はいかに社会に応答しうるか?

ベトナム反戦運動、フェミニズム、反人種差別運動、美術制度批判……
1960年代アメリカで、自らを芸術労働者(アートワーカーズ)と定義することによって
アクションを起こしたアーティスト・批評家たちの格闘の記録を鮮やかに描き出す

ベトナム反戦運動を筆頭に、フェミニズム運動、ブラックパワー運動、ゲイ解放運動、大規模なストライキなど、政治的・社会的な運動が巻き起こった騒乱の1960–70年代アメリカ。美術界では、「アートワーカー」という集団的アイデンティティが生まれつつあった──。

芸術に関わるすべての行為を〈労働〉と捉えたアートワーカーたちは、芸術作品/仕事(アートワーク)の意味を拡張し、ベトナム戦争時代の社会不安に立ち向かう。1969年に設立された「アートワーカーズ連合」や、翌年に同連合から派生した「レイシズム、戦争、抑圧に抵抗するニューヨーク・アート・ストライキ」のアクティビズム的な熱を帯びた活動は、ミニマルアートやコンセプチュアルアートなど、制度としての芸術に異議を唱える動向と密接に関係しながら発展していく。しかし、内部に多くの矛盾や葛藤を抱えたその活動は短命に終わってもいる。

本書では、ミニマルな作品によって「水平化」を目論んだカール・アンドレ、ブルーカラー労働者との同一化を夢想したロバート・モリス、批評や小説の執筆、キュレーションという「労働」を通してフェミニズムに接近したルーシー・リパード、そして情報を提示する作品によって制度批判を行ったハンス・ハーケという4人の作品や活動を徹底的に掘り下げるケーススタディから、アートワーカーたちによる社会への関与の実相を明らかにする。

また日本語版では、読者に現代の問題として議論してもらえるきっかけとなるよう、各章に専門家による解題を付け加えた。

芸術はいかに世界と関わりうるのか? 作品という枠組みを超えて、アーティストはいかに自らの態度を表明できるのか? 今日の社会において真の連帯は可能なのか? アートワーカーたちのラディカルな実践は、半世紀以上の時を経てなお新鮮な問いを発し続けている。

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