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遊園地と都市文学~アメリカン・メトロポリスのモダニティ~
坪野圭介
著
発行年月 |
2024年03月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
294p |
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大きさ |
22cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/文学/イギリス文学 |
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ISBN |
9784867800409 |
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商品コード |
1038079793 |
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NDC分類 |
930.29 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2024年05月3週 |
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書評掲載誌 |
日本経済新聞 2024/05/18 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1038079793 |
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著者紹介
坪野圭介(著者):1984年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、和洋女子大学国際学部助教(2024年4月より准教授)。専門はアメリカ文学・文化。共著に、Finisterre II: Revisiting the Last Place on Earth(Waxmann, 2024)。訳書に、ホイト・ロング『数の値打ち——グローバル情報化時代に日本文学を読む』(共訳、フィルムアート社、2023年)、パトリシア・ハイスミス『サスペンス小説の書き方——パトリシア・ハイスミスの創作講座』(フィルムアート社、2022年)、エミリー・アプター『翻訳地帯——新しい人文学の批評パラダイムにむけて』(共訳、慶應義塾大学出版会、2018)、ベン・ブラット『数字が明かす小説の秘密──スティーヴン・キング、J・K・ローリングからナボコフまで』(DU BOOKS, 2018)、デイヴィッド・シールズ&シェーン・サレルノ『サリンジャー』(共訳、KADOKAWA、2015年)など。
内容
遊園地という磁場が生み出した
世紀転換期のアメリカ文学
コニーアイランド、シカゴ万博、そして街灯や路面電車、集合住宅、摩天楼などは、急激に発展した産業都市に住む人間に何をもたらしたのか?
クレイン『街の女マギー』発表の1893年から、モダニズム文学の成熟を印象づけるフィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』発表の1925年までを「遊園地の時代」と捉え、産業都市に生きる人間を規定する文化/環境/身体の相互作用を透徹する。
【目次】
はじめに:二〇世紀転換期の遊園地
◉序 章 遊園地のモード:マリエッタ・ホリー『サマンサ、コニーアイランドとサウザンド・アイランズへ行く』
『サマンサ』と遊園地の時代
遊園地のモード① 「文化」—都市生活への娯楽の浸透
遊園地のモード② 「環境」—有機体としてのメトロポリス
遊園地のモード③ 「身体」—ドタバタとセンセーショナリズム
本書のキーワードと構成—モダニティとリズム
◉第一章 街灯とキャラクター :T・S・エリオット「J・アルフレッド・プルーフロックの恋歌」
ガス灯と電灯
漫画的な身体
映画的な空間
遊園地的な都市
道化というキャラクター
◉第二章 乗り物とプロット:シオドア・ドライサー『シスター・キャリー』
馬車・鉄道・電車
機械装置①—ロッキング・チェアー
機械装置②—列車、馬車、エレベーター
機械装置③—観覧車、ローラーコースター
機械装置④—劇場、都市
機械装置⑤—自転車
◉第三章 集合住宅とオーディエンス:スティーヴン・クレイン『街の女マギー』
クレイン、行楽地、見ること/見られること
『街の女マギー』と演劇性
演劇的な振る舞い—「見られること」への呪縛/空虚な道徳
テネメントのオーディエンス—建築の特殊性
視線の地獄への抵抗—マギーとジミーの「降板」
『街の女マギー』という小説のオーディエンス
◉第四章 高層ビルとスタイル:カール・サンドバーグ「摩天楼」
摩天楼と怪物
サリヴァンとサンドバーグ
サンドバーグの「摩天楼」—流動する有機体
サリヴァンとサンドバーグの「環境」—リズムとスタイル
◉第五章 遊園地とナラティヴ:スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』
ラーマン版『ギャツビー』と強調される遊園地
ヴォードヴィルから遊園地へ—大衆文化を模倣する『ギャツビー』
「家」=パヴィリオン
「車」=アトラクション
スペクタクルとしての遊園地と戦争
終 章 遊園地のリズム:W・E・B・デュボイス「プリンセス・スティール」
「プリンセス・スティール」とデュボイスのリズム
リズムの感取—主体・反復・ズレ
都市の音楽とリズム
遊園地の愉しみ