著者紹介
クリスティーナ・スーントーンヴァット(著者):クリスティーナ・スーントーンヴァット/児童文学作家。テキサスの小さな街で生まれ育つ。幼いころは、多くの時間を両親が経営するタイ料理レストランのカウンターの後ろで、夢中になって本を読んでいた。本作とノンフィクション作品”All Thirteen: The Incredible Cave Rescue of the Thai Boys' Soccer Team”の2作品が同時に2021年のニューベリー賞オナーブックとなり、その後も数多くの児童文学作品を発表している。
こだま ともこ(翻訳):こだまともこ/出版社勤務を経て、児童文学の創作、翻訳にたずさわる。創作に『三じのおちゃにきてください』(福音館書店)、翻訳に『ぼくが消えないうちに』(ポプラ社)、『ぼくはおじいちゃんと戦争した』(あすなろ書房)、『きみのいた森で』、『トラからぬすんだ物語』、『わたしの名前はオクトーバー』(評論社)、「大草原の小さな家」シリーズ(共訳、講談社)などがある。
辻村 万実(翻訳):辻村万実(つじむら・まみ)/大阪府在住。英日翻訳者。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)卒業。フェロー・アカデミーで出版翻訳を学び、同校のサポートにより本書の共訳が実現する。現在、YA向けアンソロジーを翻訳中。
内容
刑務所の庭の巨大なマンゴーの木の下で、街の光を眺めている少年の名前はポン。彼は法律により、13歳になるその日まで、刑務所を出ることができません。何の罪をおかしたのでしょう? いいえ、ただ「刑務所で生まれた」というだけで。ポンは、あの光の下には自由が待っていると信じていました。ところが、ある日知ってしまったのです。13歳になってここを出たあとも、自分はけっして本当の自由を手にすることはないのだと。一方、刑務所長の”完ぺきな娘”ノックは、父の名誉を守るため、脱獄犯となったポンを追いかけます。ノックにとって、法を守ることは絶対であり、ポンは再びつかまって罰をうけ、一生を刑務所ですごすべきなのです。しかし外の世界は、ポンに、そしてノックに、思いもよらなかった真実をつきつけるのでしたーー。ニューベリー賞候補作となった感動のファンタジー!