内容
なぜ日本人は「気候変動問題」に対する関心が低いのか。
そのヒントは司馬遼太郎や吉本隆明、村上春樹らの作品にあった。
社会学から現代思想、文学、サブカルチャーにまで精通する著者が、司馬遼太郎や村上春樹らの小説、さらに『鬼滅の刃』『虹色のトロツキー』『満州アヘンスクワッド』などの漫画作品から、過去・未来と現在との「分断」の正体を暴く。日本人が切り捨ててきた〈我々の死者〉、そして〈未来の他者〉とは何か。戦後の日本社会に対する「解像度」が上がる一冊!
(目次より)
第1章 〈死者〉を欠いた国民
第2章 トカトントンは鳴り響く
第3章 二段階の哀悼――意義と限界
第4章 仮象としての大衆
第5章 青みどろの生き物だけがいた
第6章 スロウボートは中国に着いたか
(プロフィール)
大澤真幸(おおさわ・まさち)
社会学者。1958年、長野県生まれ。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。思想誌『THINKING「O」』(左右社)主宰。現代社会の諸現象を、高度なロジックで多角的に検証する。著書に『不可能性の時代』(岩波新書)、『三島由紀夫 ふたつの謎』(集英社新書)、『社会学史』(講談社現代新書)、『新世紀のコミュニズムへ』(NHK出版新書)など多数。