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核燃料サイクルという迷宮~核ナショナリズムがもたらしたもの~
山本義隆
著
発行年月 |
2024年05月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
320p |
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大きさ |
19cm |
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ジャンル |
和書/理工学/原子力工学/原子力工学 |
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ISBN |
9784622096979 |
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商品コード |
1038408231 |
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NDC分類 |
539.091 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2024年06月3週 |
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書評掲載誌 |
朝日新聞 2024/06/08、東京・中日新聞 2024/06/23、毎日新聞 2024/07/20 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1038408231 |
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著者紹介
山本義隆(著者):(やまもと・よしたか)1941年、大阪に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。同大学大学院博士課程中退。現在 学校法人駿台予備学校勤務。科学史家。著書に『知性の叛乱』(前衛社、1969)『重力と力学的世界』(現代数学社、1981、ちくま学芸文庫、全2巻、2021)『熱学思想の史的展開』(現代数学社、1987、新版、ちくま学芸文庫、全3巻、2008-2009)『磁力と重力の発見』全3巻(みすず書房、2003、パピルス賞・毎日出版文化賞・大佛次郎賞)『一六世紀文化革命』全2巻(みすず書房、2007)『福島の原発事故をめぐって』(みすず書房、2011)『世界の見方の転換』全3巻(みすず書房、2014)『原子・原子核・原子力』(岩波書店、2015)『私の1960年代』(金曜日、2015)『近代日本一五〇年』(岩波新書、2018、科学ジャーナリスト賞、2019)『リニア中央新幹線をめぐって』(みすず書房、2021)『ボーアとアインシュタインに量子を読む』(みすず書房、2022)、ほか多数。*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
内容
日本のエネルギー政策の恥部とも言うべき核燃料サイクル事業は、行き場のない放射性廃棄物(核のゴミ)を無用に増やしながら、まったく「サイクル」できないまま、十数兆円以上を注いで存続されてきた。本書は核燃料サイクルの来歴を覗き穴として、エネルギーと軍事にまたがる日本の「核」問題の来し方行く末を見つめ直す。
日本では、戦前から続く「資源小国が技術によって一等国に列す」という思想や、戦間~戦中期に構造化された電力の国家管理、冷戦期の「潜在的核武装」論など複数の水脈が、原子力エネルギー開発へと流れ込んだ。なかでも核燃料サイクルは、「核ナショナリズム」(疑似軍事力としての核技術の維持があってこそ、日本は一流国として立つことができるという思想)の申し子と言える。「安全保障に資する」という名分は、最近では原子力発電をとりまく客観的情勢が悪化するなかでの拠り所として公言されている。
著者はあらゆる側面から,この国の「核エネルギー」政策の誤謬を炙り出している。地震国日本にとって最大のリスク・重荷である原発と決別するための歴史認識の土台、そして、軍事・民生を問わず広く「反核」の意識を統合する論拠が見えてくる労作。