内容
「愛の行方」を書きながら、そもそも「愛」ってなんなのだろうとずっと考えていました。
自分にとって大切な小説になりました。
井上荒野
「姦通」していた男女が熊に殺された――。
閑静な別荘地で起きた事件は、愛に傷ついた管理人の男女と、6組の夫婦に何をもたらしたのか。
愛の行方の複雑さを描く傑作長編!
運命の人からきらわれたり捨てられたりすることもある。
「このふたりは姦通していた」何度読んでも笑ってしまう。まるで私宛の手紙みたいだ。
――小林七帆
伽倻子と七帆はひと続きなのか? 結局俺は、伽倻子を愛したときから、ずっと同じことをしているだけなのか?
――小松原慎一
そりゃあそうよね。男と女のことなんて、全部間違いみたいなものよね。
――柊レイカ
ふたりはとんでもなくうまくいっている、幸せな夫婦なのだから、相手の挙動の変化には敏感なのだ。みどりはアトリエに忍び込むことになった。そして知った。
――神戸みどり
テントの外には熊が、人食い熊がいるのだ。だが純一は、再び愛の体に没頭する。そう、愛に没頭するのだ。
――野々山純一
装丁 大久保伸子
装画 杉本さなえ