内容
◆第十句集
私は、小さいが四季の変化に恵まれた島国に生まれ、ここに伝えられた極小の詩型に遊び携わってきたに過ぎないが、文明の危機を憂いつつ、それが杞憂に終わることを願うのみである。(あとがきより)
◆作品紹介
みづうみのさざなみにのり山桜
湯の菖蒲頭に巻いてみたりけり
残花余花散花を遊行柳まで
老いるとは火とぼることか火の恋し
羽ふるふ小さな日雀小さな詩
考へる形にいきみあたたかし
去年今年時は流れず積りゆく
祟りあふ民族の壁夏の月
にんげんは言葉で遊び枯葉の木
待つによき薪ストーブの炎かな