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古井由吉翻訳集成~ムージル・リルケ篇~

ロベルト・ムージル, ライナー・マリア・リルケ  著

古井 由吉  翻訳
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価格 \2,860(税込)         

発行年月 2024年09月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 275p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/ドイツ文学
ISBN 9784794227416
商品コード 1039229283
NDC分類 943.7
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2024年10月1週
書評掲載誌 産経新聞 2024/10/13
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1039229283

著者紹介

古井 由吉(翻訳):古井 由吉(ふるい・よしきち)
一九三七年、東京生まれ。六八年処女作「木曜日に」発表。七一年「杳子」で芥川賞、八〇年『栖』で日本文学大賞、八三年『槿』で谷崎潤一郎賞、八七年「中山坂」で川端康成文学賞、九〇年『仮往生伝試文』で読売文学賞、九七年『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞。二〇一二年『古井由吉自撰作品』(全八巻)を刊行。ほかに『われもまた天に』『書く、読む、生きる』『連れ連れに文学を語る 古井由吉対談集成』など著書多数。二〇二〇年二月死去。

内容

神秘主義、象徴主義の極北を、
論理と音韻が共振れする
日本語に移した圧倒的訳業!

ロベルト・ムージル「愛の完成」「静かなヴェロニカの誘惑」
ムージル著作集版を底本とし、世界文学全集版「解説」、岩波文庫版「訳者からの言葉」を併録。

ライナー・マリア・リルケ「ドゥイノの悲歌」
『詩への小路』で試みられた散文訳「ドゥイノ・エレギー訳文」全十歌を収録。
解説=築地正明

読者にはたいそう難解な作品を提供したようにおそれられる。しばらく、読みすすんでいただきたい。初めの一節二節をこらえて吟味していただきたい。まもなく、これがこれなりに明解な文章であることに気づかれることだろう。しかも明解さをしだいに解体していく、そのような質の明解さである、と。あるいは明解さをいきなりその正反対へ転ずる、と。その背後にはきわめて厳密な知性がある。そして厳密の知性と超越の感情、きりつめた把握と果てしもない伸長という、独特な結びつきがこれらの作品の基調となっている。そのことを読者はやがて感じとられるだろう。
(ロベルト・ムージル「愛の完成」「静かなヴェロニカの誘惑」/循環の緊張――岩波文庫版「訳者からの言葉」より)

誰が、私が叫んだとしてもその声を、天使たちの諸天から聞くだろうか。かりに天使の一人が私をその胸にいきなり抱き取ったとしたら、私はその超えた存在の力を受けて息絶えることになるだろう。美しきものは恐ろしきものの発端にほかならず、ここまではまだわれわれにも堪えられる。われわれが美しきものを称讃するのは、美がわれわれを、滅ぼしもせずに打ち棄ててかえりみぬ、その限りのことなのだ。あらゆる天使は恐ろしい。
(「ドゥイノ・エレギー訳文」より)

【目次】
ロベルト・ムージル
愛の完成
静かなヴェロニカの誘惑

訳者解説
「かのように」の試み――世界文学全集版「解説」
循環の緊張――岩波文庫版「訳者からの言葉」

ライナー・マリア・リルケ
ドゥイノ・エレギー訳文――『詩への小路』

解説
言葉の音律に耳を澄ます――翻訳と創作の関係について   築地正明

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