内容
今回の厚生労働白書第1部では、「こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に」と題し、厚生労働白書としては初めて、こころの健康について論じることにした。どのライフステージにいる読者にも読みやすいように、身近なライフイベ ントや日常生活のなかで経験しうる出来事などを具体的に取り上げながら、こころの健康に与える影響や、精神疾患の実態、こころの健康と向き合う社会や地域の取組みなどを説明している。第1章「こころの健康を取り巻く環境とその現状」では、こころの不調の要因となるストレスについて論じ、ライフイベントに関連する出来事や、デジタル化、これらに伴う孤独・孤立の深刻化など現代社会の特徴的な事象を取り上げる。また、精神疾患の実態や社会への影響についても説明する。第2章「こころの健康に関する取組みの現状」では、地域や学校、職場などにおける、こころの不調を予防する取組みなどについて紹介する。 第3章「こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に」では、あらゆる人が自らの心身の状態と上手に付き合いながら、こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会づくりに必要な取組みについて考える。こころの不調を抱える人に関する取組みにおける当事者の意思の尊重と参加の重要性について考察し、地域や職場におけるこころの健康づくり、こころの不調について語り合える環境づくり、そしてこころの健康確保に向けた一人ひとりを支える取組みなどについて、今後の取組みの方向性を展望する。また、本文の内容に関連させながら、企業などの具体的な取組み事例やキーワード解 説、最新の研究に関する取組みの紹介など、様々なトピックをコラム形式で掲載している。理解を深めていただくための参考としていただきたい。