内容
“日本一チケットが取れない講談師”として、講談普及の先頭に立つ活躍を続ける六代目神田伯山の初となる対談集。
二ツ目・神田松之丞時代の2019年から真打昇進と襲名を経た2022年にかけて、『週刊プレイボーイ』誌に不定期で掲載された対談連載をベースに、今の視点から振り返る語り下ろしも収録。
激動の日々に出会った各界のトップランナー11人と交わした言葉の数々が、伯山自身の立場と心の変化を色濃く映した“タイムカプセル”と呼ぶべき一冊に仕上がりました。
カバーは“時の移ろい”をテーマに画家/イラストレーターの金子ナンペイが描き下ろし。
珠玉のエピソードの宝庫として、また、稀代の講談師・神田伯山の一時代の記録として。タイムカプセルを共に掘り起こしてもうら心持ちで、皆さまに読み継いでもらえると幸いです。
【対談相手一覧】
◆又吉直樹(芸人/小説家) ◆弘中綾香(テレビ朝日アナウンサー)◆宮藤官九郎(脚本家/監督/役者/ミュージシャン)◆アントニオ猪木(プロレスラー/実業家)
◆真島昌利(ザ・クロマニヨンズ/ミュージシャン)◆北方謙三(小説家) ◆高田文夫(放送作家)&矢野誠一(芸能評論家)◆中村勘九郎(歌舞伎俳優) ◆中井貴一(役者) ◆寺島しのぶ(役者)
*並びは掲載順
【神田伯山コメント(本書 前口上より)】
タイトルが「訊(き)く!」とは大きくでましたが、これは私に「訊く力」があるとかないとかそういった類いの本ではありません。何しろ「訊く」と「聞く」の違いすら、よくわかっておりません。ただ、軽く調べたところによると、「訊く」のほうが、より積極的に質問する場合を指すようです。であれば、ある程度は的を射ているのかもしれません。
講談師とは、ある誰かの人生を後世に伝える職業でもあります。そして、この本で私と対談してくださっている豪華11人の皆さん、いずれも世に広く名前を知られているぐらいですから、何かに突出していたり、いい意味で何かが欠けていたり、とにかく面白いエピソードの宝庫です。そんな方たちを目の前にして、根掘り葉掘り訊きたくなるのは、いたって自然なことではないでしょうか。
(中略)
それにしても、です。対談オファーに対して、最初は「講談師?」「誰、それ?」と思われた方も少なからずいたのではないかと想像するのですが、どなたも、驚くほどあけすけに、なんでもお話してくださいました。だからこそのスター、だからこその人気実力……などとも思うわけですが、論より証拠。
さっそく「訊く」ことを始めてまいりましょう――。
【著者プロフィール】
神田伯山(かんだはくざん)
1983年6月4日生まれ、東京都出身。講談師。2007年、三代目神田松鯉に入門して松之丞を拝命される。
2012年に二ツ目昇進。2020年、真打昇進と同時に六代目神田伯山を襲名。メディア出演や全国各地での独演会など、講談普及の先頭に立つ活躍を続けている。