内容
決定理論とは、20世紀前半~中盤にWaldによって始められた、それまで別個に展開されていた推定や検定などの理論を統一的に扱うものとして展開されてきた、数理統計学の中でも最も原理的な分野である。本書では、その統計理論を中心として、数理統計学を解説していく。
まず最初に、測度と積分など、本書を通じて基礎となる重要な諸概念をまとめる。次に、十分統計量・十分加法族の理論、不偏推定・不偏検定の基本、Bayes解・ミニマックス解・完備類などの概念を解説していく。その後である変換群のもとで不変な決定問題や決定関数について述べ、最後に許容性の問題を扱う。
『共立講座 現代の数学33 数理統計学』として1978年初版発行後、以来、長年にわたり多数の読者にご愛読いただいてまいりました。この度、多くの読者からの要望を受け単行本に改装し発行するものです。