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日本の反戦非戦の系譜~アジア・ビジョンをどう描くか~
石原 享一
著
発行年月 |
2024年10月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
267p |
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大きさ |
19cm |
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ジャンル |
和書/社会科学/政治学/国際関係論 |
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ISBN |
9784560091425 |
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商品コード |
1039302669 |
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NDC分類 |
319.8 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2024年12月1週 |
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書評掲載誌 |
朝日新聞 2025/03/15 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1039302669 |
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著者紹介
石原 享一(著者):1949年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。社会学博士。1982年からアジア経済研究所に勤務。その間、在中国日本大使館、香港大学アジア研究センター、カリフォルニア大学バークリー校東アジア研究所の研究員。1996年から神戸大学大学院教授。2013年から19年にかけて北海商科大学大学院教授。現在、神戸大学名誉教授。アジア経済研究所名誉研究員。主な著書に『知と実践の平和論──国際政治経済学と地域研究』(明石書店)、『文化摩擦と日本人──平和の作法とは』(白帝社)、『戦後日本の経済と社会──平和共生のアジアへ』(岩波ジュニア新書)、『習近平の中国経済――富強と効率と公正のトリレンマ』(ちくま新書)他。
内容
「反戦」や「非戦」、「アジアの連帯」が語られなくなって久しい。
戦後民主主義の記憶も遠くなり、中国・韓国はじめアジア諸国が台頭するなかで、ナショナリズム感情を煽る言説やパワーポリティクス論が巷に氾濫している。
本書は「反戦」や「非戦」、「アジアの連帯」といういまや打ち捨てられようとしている問題群に、現代の世界情勢を踏まえて再接近しようとする試みである。
まず、ウクライナ戦争やガザ戦争を受けて、真の「現実主義」がなにかが問われる。
本書によると、それは、たとえば、井伏鱒二『黒い雨』における「戦争はいやだ。勝敗はどちらでもいい。早く済みさえすればいい。いわゆる正義の戦争よりも不正義の平和の方がいい」という言葉に端的に現れているという。
そして「正義の戦争」の欺瞞、軍隊の理不尽という戦後日本の原点が何度も確認される。続いて、いまでは忘れ去られた近代日本における反戦非戦の系譜に光が当てられる。
反戦・非戦の視点を恢復してみると、アジアはまったく異なってみえてくる。アジアの人々はだれも戦争や強権を望んでいるわけではないのだ。戦争の時代に広く読まれてほしい一冊。