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ルーヴル美術館~ブランディングの百年~(講談社選書メチエ 816)

藤原 貞朗  著

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価格 \2,200(税込)         

発行年月 2024年11月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 281p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/人文科学/芸術/美術理論・美術史
ISBN 9784065375020
商品コード 1039386604
NDC分類 706.9
基本件名 ルーブル美術館
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2024年12月3週
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1039386604

著者紹介

藤原 貞朗(著者):1967年、大阪府に生まれる。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程退学。リヨン第二大学第三課程、大阪大学大学院助手を経て、現在、茨城大学人文社会科学部教授。博士(文学)。専門は美学・美術史。主な著書に、『オリエンタリストの憂鬱 植民地主義時代のフランス東洋学者とアンコール遺跡の考古学』(めこん、渋沢・クローデル賞本賞、サントリー学芸賞)、『共和国の美術 フランス美術史編纂と保守/学芸員の時代』(名古屋大学出版会、吉田秀和賞)、共著書に『山下清と昭和の美術 「裸の大将」の神話を超えて』(名古屋大学出版会)、訳書に『潜在的イメージ』(ガンボーニ著、三元社)、『塹壕の戦争 1914─1918』(タルディ著、共和国)などがある。

内容

なぜ、数ある美術館のなかで、ルーブルだけが特別なのか?
世界中の人が「人生に一度は」《モナリザ》《サモトラケ島のニケ》《ミロのヴィーナス》をひと目見たいと願っている。
だが、かつては時代遅れのみっともない美術館として「ルーヴルは国の恥」「若者よ、ルーヴルに行くな」と言われたこともあった。1793年、フランス大革命によって成立した第一共和制政府が王室コレクションを「略奪」して公開する場所として誕生したこの美術館は、その後、さまざまなコレクションを吸収して肥大化した挙げ句、近代化に乗り遅れた「カオスの迷宮」となり果てていたのである。
それが、いかにして世界中から憧れられる場所となったのか?
繰り返される国内紛争と政権交代に翻弄された苦難の時代を経て、現代アート、モードや漫画をも「古典」と成して飲み込み文化国家フランスを荘厳する「偉大なるルーヴル」が生み出されるまでの百年は、戦略と欲望、政治と資本が渦巻く歴史に彩られている。
◯なぜ《ニケ像》だけが大階段の前に据えられているのか?
◯印象派が十年間だけ所蔵された顛末とは?
◯ケネディ米大統領を《モナリザ》に「拝謁」させたフランス初代「文化大臣」の恐るべき手腕とは?
豊富な図版と多彩なエピソード満載、驚くべき発見と鋭い洞察に満ちた興奮の美術史!

【本書の内容】
序章 ルーヴル美術館の現在
第一章 ルーヴル美術館の歴史―─誕生から巨大化への長い道のり
第二章 コレクションと展示室の発展―─第三共和政前期(一八七〇―一九一四)
第三章 一九二〇年代、「迷宮」からの再出発
第四章 ルーヴル美術館の「ナショナリゼーション」―─近代化に隠された意味
第五章 ルーヴルの「顔」―─ブランド・イメージの創出と《サモトラケ島のニケ》の秘密
第六章 ルーヴル・マジック、もしくは古典の誘惑
第七章 幕間劇 空白の二十年(一九三九―五九年)と一九三〇年代の「忘却」
第八章 「世界一の美術館」の誕生―─《モナリザ》とともに
第九章 「ルーヴルへの回帰」―─グラン・ルーヴル計画
第十章 グローバル・ブランド「ルーヴル帝国」への「進化」
第十一章 「ルーヴル美術館展」の歴史―─学芸員による展覧会活動

【本書より】
ルーヴル美術館は、過去の作品を祀るだけの神殿であることを止め、芸術作品を「解体」し、「変容」させていった。展示空間の大改革を進めることによって、過去の作品を「眠り」から目覚めさせ、新しい「後世」の形象を与えていったのである。翼を広げた《ニケ像》は後世、すなわち未来に向かって飛び立ったのであり、それは、そのまま、みずから変容しようとしていたルーヴルの姿に重なっていたと言ってよいだろう。

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