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面白くて刺激的な論文のためのリサーチ・クエスチョンの作り方と育て方~論文刊行ゲームを超えて~ 第2版
マッツ アルヴェッソン,
ヨルゲン サンドバーグ
著
佐藤 郁哉
翻訳
発行年月 |
2024年11月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
10p,329p |
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大きさ |
21cm |
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ジャンル |
和書/総記/総記/百科事典・辞典・各種辞典・地図・年表・人名事典 |
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ISBN |
9784561267966 |
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商品コード |
1039537835 |
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NDC分類 |
307 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2024年12月3週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1039537835 |
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著者紹介
マッツ アルヴェッソン(著者):マッツ・アルヴェッソン:英国バース大学の組織論教授。多岐にわたるテーマについて数多くの研究書を発表してきた。その中でも主な著作には次のようなものがある―Reflexive Methodology(Kaj Sköldberg との共著,Sage 2009,第2版),Understanding Organizational Culture(Sage 2012,第2版),Understanding Gender and Organizations(Yvonne Billing との共著,Sage 2009,第2版),Knowledge Work and Knowledge-Intensive Finns(Oxford University Press 2004),Changing Organizational Culture(Stefan Sveningsson との共著,Routledge 2015,第2版)など。
ヨルゲン サンドバーグ(著者):ヨルゲン サンドバーグ:豪州クイーンズランド大学(UQ)ビジネススクール教授,UQ ビジネススクール内の学際的研究グループであるプラクティスとプロセス研究(Practice and Process Studies)の共同リーダー,英国ウォーリック・ビジネススクールの名誉教授,国際会議「哲学と組織研究(Philosophy and Organization Studies:PHILOS)」の共同創設者でもある。近著にアルヴェッソン教授との共著によるRe-Imagining the Research Process(Sage 2021)などがある。また,Academy of Management Review, Journal of Organizational Behavior, Organization Studies の編集委員をつとめている。
佐藤 郁哉(翻訳):佐藤 郁哉:1955年、宮城県生まれ。77年、東京大学文学部卒業。84年、東北大学大学院博士課程中退。86年、シカゴ大学大学院修了(Ph.D.)。一橋大学大学院商学研究科教授、プリンストン大学客員研究員、オックスフォード大学客員研究員などを経て2016年より同志社大学教授。専門は経営組織論・社会調査方法論。主な著作に、『暴走族のエスノグラフィー』(新曜社、国際交通安全学会賞)、Kamikaze Biker(University of Chicago Press)、『現代演劇のフィールドワーク』(東京大学出版会、日経・経済図書文化賞)、『組織エスノグラフィー』(共著。有斐閣、経営行動科学学会優秀研究賞)、『社会調査の考え方[上][下]』(東京大学出版会)、『50年目の「大学解体」20年後の大学再生』(共著。京都大学学術出版会)、『大学改革の迷走』(筑摩書房)、『はじめての経営学 ビジネス・リサーチ』(東洋経済新報社)、『経営学の危機―詐術・欺瞞・無意味な研究』(訳。白桃書房)など。
内容
昨年7月に刊行された第1版は6刷を数え、若手研究者からレジェンドと言うべき研究者まで、また経営学に限らない社会科学研究者にも高く評価され、大いに話題となった。
「リサーチ・クエスチョン」は、研究によって明らかにされるべき答えはどのようなものかを定義する。著者は「良いリサーチ・クエスチョンはそれに対する答えと同じくらいに価値があり、時には答えそれ自体よりも重要である」と言う。しかしながらこれまで、実践的なリサーチ・クエスチョンの作り方、また研究に取り組む中でそれをどのように練り上げていくのかは、十分検討されてこなかった。
その一方で、こんにちの社会科学では、ほとんどすべての領域において、膨大な量の研究が発表されているにもかかわらず、その影響の及ぶ範囲という点で、かつてのように大きな成果をあげていないと言う。そして、このような現象は、研究者たちの同調的な傾向によって生まれてきたとする。
以上を踏まえ本書は、こんにちのリサーチ・クエスチョンにおいてよく見られる「ギャップ・スポッティング」(既存の理論に基づいた研究の穴埋めをするというような意)が孕む問題を取り上げた上で、その解決にあたり、「問題化」という手法を提案する。そして、批判的思考を心がけ、型にはまらない独創的なリサーチ・クエスチョンを提起していくことの重要性を強調する。
しかし本書がユニークなのは、このように野心的な射程を持ちつつも、ギャップ・スポッティングによる手堅い研究アプローチが体系化され解説されてもいる点である。
この第2版においては、原書第1版刊行(2012年)後の、創造的で野心的な研究アプローチに関する各種の文献の内容が十分に検討され、盛り込まれた。本版も広く読まれることとなろう。