内容
本書は, 大学初年次生を対象に, コンピュータの基礎知識を幅広く学べる入門書である. コンピュータの歴史や動作原理, プログラム言語, ネットワーク, セキュリティ, そしてAI(人工知能)に至るまで, 情報科学の重要な概念を体系的に学べるよう構成している.
本改訂版では, AI技術の近年の発展に伴い, 内容をアップデートした. 特に, 大規模言語モデルや生成AIといったニューラルネットワーク技術に関する内容を充実させ, データとAIの倫理に関する節を追加している. また, データ構造についての説明も新たに加えた. 高校「情報I」の内容も含んでおり, リメディアル教育にも活用できる.
【目次】
第1章 コンピュータの進歩と社会
リチャードソンのcomputer/昔と今の生活/コンピュータとは何か/進歩と普及の情報科学的理由/コンピュータ前史
第2章 数と情報の表現
のろし/数の表し方/2進法/2進数の演算/浮動小数点数/文字の表現/文字コード/音声/画像/圧縮/誤り訂正符号/ビット列の解釈/論理回路
第3章 ハードウェアとソフトウェア
コンピュータ(電子計算機)/ハードウェアの構成要素/入力装置/出力装置/入出力インタフェース/記憶装置/演算装置/スペックの読み方/ソフトウェア
第4章 プログラムとプログラム言語
いろいろななぞなぞ/手順と計算/プログラム言語の種類/安全設計/ソフトウェアの安全設計/バグ/プログラムを書くための基本/アルゴリズム/データ構造/プログラム言語と開発環境/コンピュータの仕組み
第5章 OSとデータベース
様々な場面/OSの仕事/データベース/大規模処理
第6章 ネットワークとセキュリティ
通信の歴史と技術的課題/ネットワークの基本概念/ウェブページが表示されるまで/通信のためには何が必要か/ネットワークの物理的実体/クラウド/セキュリティ/サイバー犯罪/暗号/セキュリティ技術
第7章 AIとコンピューティングの広がり
「トルコ人」/AI前史/AIの範囲/神経科学/モデル化/ニューラルネットワーク/データとAIの倫理/将来予測/コンピューティングの広がり
付録
情報理論の考え方/フリップフロップの動作/電界効果トランジスタによる論理回路/マージソートの手間/RSA暗号の仕組み/量子コンピュータの原理