内容
多面体計算は、1980年代後半から始まった比較的新しい研究分野であるが、一般次元の凸多面集合に関連する様々な問題を対象としている。
本書は、凸多面体の古典的な結果に加え、計算量理論とアルゴリズム設計の両方の観点から、多面体計算における基本的かつ発展的な手法を解説する書籍である。多面体の双対性、Eulerの関係、シェラビリティー、McMullenの上限定理、Minkowski-Weylの定理、超平面アレンジメントの面数公式など、順々に解説していく。
多面体計算の研究においては、医学、工学を始めとする様々な分野に現れる多面体的構造の解析が本質的な問題解決をもたらしてきたこともあり、多面体計算の有用性は様々に確かめられてきた。そのような意味で未知の可能性を秘めていると言える多面体計算を学ぶのに好適な書と言えるだろう。