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覇権・暴力・保険~海上保険の形成と発展~
新谷 哲之介
著
発行年月 |
2025年03月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
7p,259p |
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大きさ |
21cm |
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ジャンル |
和書/社会科学/経済学/金融 |
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ISBN |
9784892934858 |
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商品コード |
1039803376 |
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NDC分類 |
339.8 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2025年05月1週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1039803376 |
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著者紹介
新谷 哲之介(著者):■新谷 哲之介(しんや てつのすけ)
1971 年 東京都杉並区出生
1994 年 東京海上火災保険株式会社入社
2022 年 日本保険学会賞受賞
2025年現在 東京海上日動火災保険株式会社海上業務部勤務(シニアエキスパート)
-公職等-
法制審議会 商法部会 幹事
IUMI(国際海上保険連合)理事
国連 エキスパート(保険分野)
国連CEFACT 日本委員会 委員
ICC(国際商工会議所)DSI 諮問委員
経済人コー円卓会議 日本委員会 理事
神戸大学海洋政策科学部 非常勤講師
東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科 非常勤講師
株式会社トレードワルツ 取締役
内容
海上保険といえば商人のための商業的な保険をイメージしますが、海上保険をその形成過程の歴史からたどると、往時は貿易と略奪とが混然として存在し、さまざまな暴力や戦乱のなかから生成されてきた実態が浮き彫りとなります。
本書は、保険の原点といわれる海上保険が、貿易や海運をめぐる危険に対しどのような役割りを担いながら創生・発達してきたか、また、国家どうしの覇権抗争や戦争という特殊なリスクをどう担保してきたかを、世界史的観点から描いています。
貿易は国富の源泉として国の盛衰を左右し、経済的に大国としての地位を築いてきた国々は、国力を伸展させてしばしば海上覇権を争い、これを支える海運、海上保険、貿易金融等を充実させてきました。現在国際的に使用されている保険の原理や約款も、大航海時代から近代にかけて特にヨーロッパを中心に繰り広げられた幾多の戦争、奴隷貿易、アメリカの独立戦争や南北戦争、20世紀の両次大戦などのリスクが基盤となっています。海上保険実務ではいまも戦争危険が担保されて国際的に普遍的な実務慣習として機能しており、それはこうした歴史を通して理解できます。
また、著者が携わる保険実業の視点から、歴史上に現れた諸々の事案やトピックスにも焦点を当て、保険実務を進めるなかで示唆となり参考となる判例や史訓を織り交ぜながら、保険契約に関わる法律原則や制度の成立ち経緯や仕組み、解釈理論等についても説明を加えています。
本書からは激動する世界経済を支える海上保険のダイナミズムと保険の淵源を汲み取ることができ、保険関係者はもちろん貿易関係者、更には広く一般読者の方々にもお勧めの書です。