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ハチは心をもっている~1匹が秘める驚異の知性、そして意識~
ラース・チットカ
著
今西 康子
翻訳
小野正人
他
発行年月 |
2025年02月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
352p |
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大きさ |
20cm |
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ジャンル |
和書/生命科学、医学、農学/生物学/動物学 |
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ISBN |
9784622097679 |
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商品コード |
1039936118 |
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NDC分類 |
486.7 |
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本の性格 |
学術書/学生用 |
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新刊案内掲載月 |
2025年03月4週 |
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書評掲載誌 |
毎日新聞 2025/03/15、朝日新聞 2025/03/22、読売新聞 2025/06/08 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1039936118 |
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著者紹介
ラース・チットカ(著者):(Lars Chittka)英・ロンドン大学クイーン・メアリー校教授(感覚・行動生態学)。動物の感覚・学習・認知と進化・生態にまたがる幅広いテーマで研究をおこなっている。特に、ハナバチの心・知性と行動の研究を牽引する第一人者として世界的に知られ、300本近い論文を査読誌に発表している。PLoS Biologyの編集委員(2004-現在)、PNASのゲスト編集委員(2023)、Proceedings of the Royal Society Bの編集委員(2010-2012)やQuarterly Review of Biologyの編集顧問(2004-2010)など、トップジャーナルの編集メンバーも歴任。共編著にCognitive Ecology of Pollination: Animal Behavior and Floral Evolution(Cambridge University Press, 2001)。*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
今西 康子(翻訳):(いまにし・やすこ)翻訳家。訳書に、ジョセフ・ヘンリック『WEIRD(ウィアード)「現代人」の奇妙な心理』(上下巻、2023)『文化がヒトを進化させた』(2019)、ロブ・ダン『ヒトという種の未来について生物界の法則が教えてくれること』(2023)『家は生態系』(2021)、ジャスティン・シュミット『蟻と蜂に刺されてみた』(2018)(以上、白揚社)、カール・ジンマー『ウイルス・プラネット』(2013)エイミィ・ステュワート『ミミズの話』(2010)(以上、飛鳥新社)、ほか多数。*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
小野正人(他):(おの・まさと)玉川大学農学部教授/学術研究所・所長。専門は社会性ハチ類。日本学術会議応用昆虫学分科会委員長(2017-2023)、一般社団法人 日本応用動物昆虫学会・会長(代表理事)(2021-2023)、日本昆虫科学連合代表(2022-2024)、第27回 国際昆虫学会議・議長(2024)などを歴任。環境賞(1996)、日本応用動物昆虫学会賞(2004)、日本農学賞(2024)などを受賞。スズメバチ、ミツバチ関連の啓蒙活動にも力を入れている。著書に『スズメバチの科学』(海游舎、1997)、ほか。*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
内容
ハチは「群知能」だけでなく、1匹1匹も高度に進化した心をもっていた! ハナバチの認知研究の権威である著者が、1匹の内にある驚くべき精神生活を説き明かす。
もちろん、ハチの心は人間の心とはまったく異なる。しかしハチの心が「原始的」だと思ったら大間違い。本書の読者はまず、ハチの賢さに驚嘆するだろう。どんな課題もたちどころに学習し、瞬時に効率のよい判断を下して問題解決する。数を数え、道具を使い、ほかのハチやほかの動物から問題解決の方法を盗みさえする、等々……。この速くて柔軟な心は、採餌や帰巣の必要、ハチの形態やサイズなどに適う方向へ、進化の手が精巧に磨き上げてきたものだ。
ファーブル、カール・フォン・フリッシュ、マルティン・リンダウアー、そしてもちろん著者自身も含め、数多の研究者たちがアイデアを凝らした巧妙な実験によって、その「異なる心」の解明に挑んできた。ハチの内面を探る実験のおもしろさも本書の大きな読みどころの一つだ。
著者はハチの個体が「パーソナリティ」をもち、「自他」を区別し、内的表象を形成し、苦痛や情動を経験するといった心的機能も探っている。本書を読む前と後で、ハチはもちろん、すべての昆虫への見方が変わらずにはいられない。