内容
マルチモーダル化が進み、AIエージェントとしての活用や、幅広い分野での応用が目覚ましい生成AI。AIパソコン、AIスマホが登場し、今後も市場の高成長が予想されている。一方、AI技術がもたらす影響力への懸念により、法規制に踏み切る国が増えつつある。本書は東京大学 松尾・岩澤研究室協力のもと、生成AIの手法やモデル、法的論点などを整理・解説している。
第1章では、AIの安全性に関する評価手法や基準の検討・推進を行うAIセーフティ・インスティテュート(AISI)の村上明子所長と松尾・岩澤研究室の岩澤有祐准教授の対談を掲載。2024年8月に発効したEU AI法を踏まえ、AI開発と安全性について議論を交わした。
第2章では、生成AIの概要、動画像生成と拡散モデルを解説するとともに、大規模言語モデル(LLM)を活用する技術、軽量化・高速化の手法を紹介。LLMの安全性に関しても、最新の論文を参照しながら技術的な考察を加えた。
第3章では、生成AIの市場と産業への影響を取りまとめ、生成AIの開発力を強化するための経済産業省・NEDOのプロジェクト「GENIAC」参加企業にインタビューを実施。基盤モデル開発における課題や、今後の展望を聞いている。
第4章では、ガードレールやガバナンスの仕組みづくりに求められる国内外のAI規制と関連法、著作権について解説。EU AI法についてはGDPRと比較しながら、ブリュッセル効果が発生するかどうか現状を整理している。
推論時のスケーリングの研究や、性能の良い小規模モデルの開発が進むなか、2025年もAIの爆発的進化が予想されている。AI社会の到来を見据えた、生成AIの動向をとらえる最適な一冊。
特典:PDF版ダウンロード権付き