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書評掲載

朝のピアノ~或る美学者の『愛と生の日記』~

キム・ジニョン, 小笠原藤子  著

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価格 \2,420(税込)         

発行年月 2025年03月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 270p
大きさ 18cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/中国文学
ISBN 9784484221274
商品コード 1040147469
NDC分類 929.14
書評掲載誌 朝日新聞 2025/05/10
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1040147469

著者紹介

キム・ジニョン(著者):哲学者/美学者 高麗大学ドイツ語独文学科と同大学院を卒業し、ドイツのフライブルク大学大学院(博士課程)留学。フランクフルト学派の批判理論、特にアドルノとベンヤミンの哲学と美学、ロラン・バルトをはじめとするフランス後期構造主義を学ぶ。小説、写真、音楽領域の美的現象を読み解きながら、資本主義の文化および神話的な捉えられ方を明らかにし、解体しようと試みた。市井の批判精神の不在が、今日の不当な権力を横行させる根本的な原因であると考え、新聞・雑誌にコラムを寄稿。韓国国内の大学で教鞭をとり、哲学アカデミーの代表も務めた。バルト『喪の日記』の韓国語翻訳者としても知られる。
小笠原藤子(著者):上智大学大学院ドイツ文学専攻「文学修士」。現在、慶應義塾大学・國學院大學他でドイツ語講師を務める傍ら、精力的に韓国語出版翻訳に携わる。訳書にチョン・スンファン『自分にかけたい言葉 ~ありがとう~』(講談社)、リュ・ハンビン『朝1 分、人生を変える小さな習慣』(文響社)、イ・ギョンヘ『ある日、僕が死にました』(KADOKAWA)、ケリー・チェ『富者の思考 お金が人を選んでいる』(小社)など多数。

内容

ノーベル賞作家ハン・ガンが3回読んだ本:「しばらく外国にいたとき、この本を1日いちど、3回読んだ。毎日読んでもいい本」

日常がシャッターを下ろすように中断されると知った時に……残ったのは「愛」だった。

『朝のピアノ』は、キム・ジニョン先生が天に召される三日前、意識混濁状態に入る直前まで、メモ帳に書き留められた生の日記である。

哲学者/美学者として著名であった著者が死を意識せざるを得なくなったとき、より明確に感じ取るようになったのは世界の美しさや愛、ささやかな日常のおもしろさだった。

〈雨降りの日、世界は深い思索に濡れる。そんなときは、世界が愛を待つ気持ちでいっぱいだということを知っている。わたしがどれほど世界を愛しているかも〉

〈もっと長生きしなければならないのは、もっと生きながらえるためではない。後回しにしてきたことに対する義務と責任を遂行するためだ〉

どこから読んでも静かに心に染みわたる一節が見つかる一冊。

〈本書は、多方面で活躍された著者が人生に幕を下ろす三日前までをメモに綴った日記である。だが、逆説的な部分があるとしても、焦点はあくまで「生」にあり、忍び寄る最期にあるのではない。彼が描く日常生活の何気ないワンシーンは、むしろ牧歌的ですらある。不安を抱えながらも、冷静さを保とうと努め、前向きな姿勢を取り続ける。生への執着および葛藤、愛着、賛美、そして周囲へ向ける視線、配慮、感謝、愛。音楽や文学で色付けられ、重厚でいてシンプル。そして最期まで守り続けた、人としての威厳に心打たれる。淡々と綴られているにもかかわらず、この日記は奥深い。(訳者あとがきより)〉

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