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砕かれた四月(白水Uブックス 海外小説永遠の本棚 261)
イスマイル・カダレ
著
平岡 敦
翻訳
発行年月 |
2025年04月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
261p |
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大きさ |
18cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/文学/その他の文学 |
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ISBN |
9784560072615 |
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商品コード |
1040147615 |
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NDC分類 |
993.43 |
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本の性格 |
学生用 |
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新刊案内掲載月 |
2025年05月4週 |
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書評掲載誌 |
読売新聞 2025/06/29 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1040147615 |
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著者紹介
イスマイル・カダレ(著者):アルバニア南部ジロカスタル生まれ。ティラナ大学卒業後、モスクワのゴーリキー文学大学に留学したが、アルバニア・ソ連関係の悪化を受けて帰国。ジャーナリストとして雑誌に関わるかたわら詩作品を発表、のちに小説家として『死者の軍隊の将軍』(63)、『草原の神々の黄昏』(78)、『誰がドルンチナを連れ戻したか』(81)、『夢宮殿』(81)などで高い評価を獲得する。90年には一時フランスに政治亡命。作品は40以上の言語に翻訳され、2005年の第一回国際ブッカー賞をはじめ、アストゥリアス王女賞(09)、エルサレム賞(15)、ノイシュタット国際文学賞(20)など数多の文学賞に輝いた。
平岡 敦(翻訳):1955年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、中央大学大学院修了。中央大学講師。主な訳書に、カダレ『誰がドルンチナを連れ戻したか』、グランジェ『クリムゾン・リバー』、ビュッシ『恐るべき太陽』、ジャプリゾ『シンデレラの罠』、カサック『殺人交叉点』など。ルメートル『天国でまた会おう』で日本翻訳家協会翻訳特別賞、ルルー『オペラ座の怪人』で第21回日仏翻訳文学賞受賞。
内容
「生者とは、生の許しを受けた死者にすぎない」
二十世紀初頭のアルバニア北部の荒涼たる高地。この土地を支配するのは「カヌン」と呼ばれる、先祖伝来の終わることのない復讐の掟である。兄の血を奪い返した山岳民の若い男ジョルグは、三十日間の休戦の猶予ののちに自らの死を待つ身だった。しかし、この土地を新婚旅行で訪れた作家の妻ディアナと、馬車の窓越しにただ一度視線を合わせたことで、ふたりは命を賭してその運命を交錯させてゆく――。伝説と神話の影をまとった悲劇の時空間が立ちのぼる、忘れがたく美しい叙事詩的散文。
現代のアルバニア文学を、そして世界文学を牽引したカダレの作品は、フランス語を筆頭に四〇以上の言語に翻訳され、ノーベル文学賞の候補にたびたびその名が挙がったが、作家は二〇二四年七月に惜しまれつつ八十八歳で亡くなった。カダレの創作全体を見渡す井浦伊知郎氏(アルバニア語学・翻訳)による解説を巻末に付す。