丸善のおすすめ度
サルコペニア・フレイルに関する栄養管理ガイドライン<2025>
⽇本臨床栄養学会,
⽇本サルコペニア・フレイル学会
編
発行年月 |
2025年04月 |
---|
|
|
言語 |
日本語 |
---|
媒体 |
冊子 |
---|
|
|
ページ数/巻数 |
18p,100p |
---|
大きさ |
26cm |
---|
|
ジャンル |
和書/生命科学、医学、農学/加齢医学/加齢医学 |
---|
|
|
ISBN |
9784524221394 |
---|
|
商品コード |
1040154913 |
---|
NDC分類 |
493.185 |
---|
|
|
本の性格 |
実務向け |
---|
|
新刊案内掲載月 |
2025年06月1週 |
---|
|
商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1040154913 |
---|
内容
⽇本臨床栄養学会/⽇本サルコペニア・フレイル学会の共編による,サルコペニア・フレイルに関する栄養・⾷事のガイドライン.サルコペニア・フレイルの予防・治療に中⼼的な役割を果たす栄養・⾷事に関するエビデンスを国内で初めてガイドラインとしてまとめた.
【序文】
世界的な人口の高齢化に伴い,今まで「 年のせい」 で済まされていた様々な高齢者に出現する症候が注目されてきている.その代表的なものとしてサルコペニアとフレイルがある.
1989年に医師であり栄養学者でもあったRosenberg IHが加齢に伴う骨格筋量の減少の重要性を主張し,「サルコペニア」という造語を提唱して以来,加齢に伴う一次性以外にも疾病に伴う二次性サルコペニアに関しても大変注目される病態となった.また,「フレイル」は1990年代に老年医学者たちにより老年医学的介入により恩恵を受ける高齢者の状態として捉えられ,2001年にFried LPらにより診断基準が提案され,高齢者の身体機能障害にいたる重要なプロセスとして認識された.
現在,世界的な高齢者の増加に伴い,高齢者の自立期間の延長や健康維持の重要性が認識され,それらに関する取り組みが広がってきている.そのなかでサルコペニアとフレイルの存在ならびにそれらの予防や治療的介入の重要性が高まってきている.実際,このサルコペニアとフレイルの存在は高齢者の身体機能の低下のみならず,認知機能の低下や疾病の発症・重症化,社会的孤立,生命予後の悪化にも強く関与していることが明らかになってきている.一方でこの2つの病態は互いに強く関連していると同時に,可逆的な特徴があり,早く診断し,適切な介入により健常に復帰することができる.今まで様々な介入方法が提案されてはいるが,そのなかでも栄養療法の重要性は早くから認識され,すでに多くの研究の蓄積がある.
一方で,多彩な栄養療法(介入)が報告されてはいるが,すでに十分なエビデンスがある栄養療法もあれば,なお十分な研究がなく推奨にいたらない栄養療法もあるはずである.日々この分野の研究は進んでいるが,まずは今回,現時点でのエビデンスを明らかにすることを目的としてサルコペニアならびにフレイルに対する栄養管理に関するガイドラインの作成を試みた.
今回のガイドラインでは加齢を主要因とする場合以外に,疾病を主要因とするサルコペニアやフレイルにも範囲を広げ栄養療法の効果に関するシステマティックレビューも追加した.本ガイドラインがサルコペニアやフレイルの治療や今後の研究の進展に少しでも役立つことを期待したい.また,最後に本ガイドラインの作成にかかわったすべての関係者に謝意を表する.
2025年3月
ガイドライン作成組織代表
葛谷雅文