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<ていねいな暮らし>の系譜~花森安治とあこがれの社会史~(叢書パルマコン・ミクロス 10)
佐藤 八寿子
著
発行年月 |
2025年05月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
276p |
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大きさ |
19cm |
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ジャンル |
和書/社会科学/生活科学/生活科学 |
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ISBN |
9784422701806 |
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商品コード |
1040167991 |
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NDC分類 |
590.21 |
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本の性格 |
学生用 |
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新刊案内掲載月 |
2025年06月3週 |
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書評掲載誌 |
毎日新聞 2025/06/14、日本経済新聞 2025/06/28 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1040167991 |
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内容
羨望と同時に嫉妬をもかきたてる〈ていねいな暮らし〉は、現代日本特有の文化なのだろうか。
花森安治の足跡から中華圏における流行まで、連綿と続く〈暮らし〉へのあこがれの社会史を追う。
***
〔…〕本書を準備している中で、この三つの椅子の偶然に出会ったとき、あらためて『暮しの手帖』巻頭に毎号掲げられている「これは あなたの手帖です」というメッセージを思い出さないわけにはいかなかった。
すぐには役に立たないように見えても
やがて こころの底ふかく沈んで
いつか あなたの暮し方を変えてしまう
という花森の言葉が、期せずして筆者自身の〈暮らし〉の中で予言として成就していたことになる。ほらね、と言わんばかりの花森の得意気な表情が脳裏に浮かぶ。
数十年前に記事を読んだ記憶も、椅子の名もメーカー名も産地も、新しく椅子を購入するときの筆者の念頭にはなかった。にもかかわらず、それを選んだ。つまり『暮しの手帖』が筆者の「こころの底ふかく沈」めていたものは、モノとしてのその椅子ではなく、そのモノの魅力について熱く語る花森の「モノ・ガタリ」だったと言える。形あるモノは滅びるが「こころの底」にしみこんだ「モノ・ガタリ」が消えることはない。
(筆者「あとがき」より)