内容
2011年の東北地方太平洋沖地震以降,「地震に対する標準的な知識」が大幅に変わり,また防災に対する社会の意識・要請も非常に高まっている.2024年1月の能登半島地震の研究も織り込み,また今後予想される南海トラフ地震の可能性に関しても記載されている.付録に日本・世界の主な地震一覧など資料も充実させた.非専門家にもわかるよう導入的知識などは丁寧に解説している.
【主な目次】
1.地震の概観:地震とは何か/原因/震災/地震の大きさ・予測・被害想定
2.地震と地殻変動の観測:地震計/観測網/観測のノイズ/海底観測
3.地震波の伝播・地震性地殻変形:弾性体力学/震源の力学/断層による変形
4.地震の起き方と地震活動の性質:地震の大きさ/断層モデル/群発地震
5.地震を発生させる場:プレートテクトニクス/日本列島の島弧
6.プレートの沈み込みに伴う地震:プレート境界面/スロー地震
7.内陸の地震:内陸地震の特徴/日本と世界の内陸地震(年代順)
8.地震による強い揺れ:地震と強震動/建物の揺れ・被害/地盤・土砂災害
9.古地震:古地震の種類/歴史地震/地震考古学/地形・地質学的調査
10.巨大災害をもたらした地震,もたらす可能性のある地震:日本海溝・千島海溝/南海トラフ/相模トラフ/内陸・活断層/首都直下/世界の大地震
11.地震活動・災害誘因(ハザード)の予測:地震発生の予測/地震予知研究と災害の軽減に貢献する地震火山観測研究計画/地震防災のための地震関連組織
資料1:断層/資料2:日本・世界の主要地震の表/資料3:歴史地震年表