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昨日、今日、明日、明後日、明々後日、弥の明後日

横尾 忠則  著

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価格 \3,520(税込)         

発行年月 2025年04月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 566p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/日本文学
ISBN 9784408651538
商品コード 1040221949
NDC分類 914.6
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2025年06月1週
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1040221949

著者紹介

横尾 忠則(著者):1936年兵庫県生まれ。現代美術家。1972年ニューヨーク近代美術館で個展。その後もパリ、ヴェネツィア、サンパウロなど各国のビエンナーレに出品し、国内外の美術館で個展を開催。2012年には兵庫県立横尾忠則現代美術館、2013年には豊島横尾館を開館。主な受賞、綬章に毎日芸術賞、ニューヨーク ADC 殿堂入り、紫綬褒章、旭日小綬章、朝日賞、高松宮殿下記念世界文化賞など。令和2年度東京都名誉都民顕彰、2023年日本芸術院会員、文化功労者に選ばれる。著書には小説『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)、『言葉を離れる』(講談社エッセイ賞)小説『原郷の森』など多数。

内容

「昨日、今日、明日、明後日、明々後日、弥の明後日」
――88歳、横尾忠則、五年間の記録が生む“時間”の感触――

横尾忠則が綴った日々が、本になる。2019年12月から2024年12月までの5年間、彼が見たこと、感じたこと、考えたことが、瑞々しい感覚と独特の脱力感をもって記録された。そのタイトルも、「昨日、今日、明日、明後日、明々後日、弥の明後日」。まるで、時間がずっと続いていくことを肯定するような、どこかとぼけた響きをもった言葉が並ぶ。

日記という形式は、時に内省的で、時に奔放で、書く者のそのままの姿を映し出す。横尾忠則の日記もまた、そうした飾り気のない日々の断片の積み重ねだが、そこには彼ならではの“軽さ”がある。それは、年齢を重ねることによる重厚さとは真逆の、肩の力の抜けた自由な視線。88歳になってなお、彼の言葉は老成することなく、むしろ軽やかに時間の中を泳いでいく。

芸術、日常、健康、夢、死――ありふれたことから深遠なことまでが、思いつくままに記されている。しかし、それらは決して深刻ではなく、どこかゆるやかで、気負いのないものばかりだ。「まあ、そんなこともあるよね」とでも言うような、あるいは「それが人生ってもんじゃない?」と肩をすくめるような、そんな空気が漂う。この日記を読んでいると、時間の流れに逆らわず、ただ“いま”を生きることの心地よさが伝わってくる。

私たちは、未来に急ぎすぎているのかもしれない。何かを成し遂げなければ、何かを証明しなければと、つい肩に力が入ってしまう。けれども、横尾忠則の言葉に触れると、その焦燥感がふっと和らぐ。昨日があり、今日があり、明日がある。そしてその先に、明後日や明々後日、弥の明後日がある。ただそれだけで、時間は流れ続けていく。

この本は、読者に“生き急がなくていい”という安心感をくれる。力を抜いて、流れに身を任せても大丈夫なのだと、横尾忠則のまなざしがそっと教えてくれる。今、この瞬間を生きることの豊かさを、ただ静かに、けれども確かに感じさせてくれる一冊である。

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