著者紹介
ワファ―・タルノーフスカ (著者):ワファ―・タルノーフスカ 多くの受賞歴をもつ作家、翻訳家、語り手。レバノンに生まれ、その後、インド、オーストラリア、アラブ首長国連邦、キプロスなど、いくつもの国でくらしてきた。今はイギリスとポーランドを行き来しながら、本やドキュメンタリー番組シナリオの執筆・翻訳にたずさわる一方、英語、アラビア語による語りきかせの場を提供している。ワファーは、自身を東西文化の架け橋と考えている。
原田 勝(翻訳):原田 勝1957年生まれ。東京外国語大学卒業。児童書・ヤングアダルト文学翻訳家。訳書に『ハーレムの闘う本屋 ルイス・ミショーの生涯』(あすなろ書房)、『ぼくは川のように話す』『ねえ、おぼえてる?』(偕成社)、『チャンス──はてしない戦争をのがれて』『ウクライナ わたしのことも思いだして:戦地からの証言』(小学館)など多数。
ヴァリ・ミンツィ(イラスト):ヴァリ・ミンツィルーマニア生まれ。エルサレムにあるイスラエル随一の美術学校、ベツァルエル美術デザイン学院に学ぶ。イラストレーター・編集者として、子どもむけの美術雑誌「エイナイム」の制作にたずさわっている。2012年、イスラエル博物館ベン・イツハク子どもの本イラストレーション賞を受賞。色彩豊かで想像力をかきたてる作風は、ボナール、ホックニー、マチスといった画家たちの影響を受けている。
内容
日常を破壊された人々が希望と安らぎを見出したのは、街から集められたたくさんの本だった――。レバノン内戦経験者である著者が、内戦下のシリアに実在した秘密図書館から着想を受けて紡いだ物語絵本。
なぜ、人間には本が必要なのか。困難な状況下でこそ発揮される、図書館の存在意義とは。
IPPY Award児童書部門金賞をはじめ、数々の賞に輝く話題作。小学校中学年から。
=あらすじ=
ヌールの暮らすダマスカスは、かつて花々の香りにあふれる美しい街だった。
しかし内戦が始まってからというもの、街は危険な戦場へと一変し、ヌールたちは地下シェルターでの避難生活を余儀なくされるようになる。
そんななか、ヌールとそのいとこ・アミールはあることを思いつく――秘密の地下図書館を作ろう!
やがてふたりが作った地下図書館は、恐怖と不安に苛まれるダマスカスの人々にとって、希望の光となっていく。
=受賞歴=
2024年 Anne Izard Storytellers’Choice Award受賞
2023年 Nautilus Book Awards金賞受賞
2022年 IPPY Award児童書部門金賞受賞