内容
〈累計50万部を突破! 「プロカウンセラーの技術」シリーズ最新刊〉
怒りは誰にでも湧き上がる感情ですが、私たちはその扱い方を十分に学んでいるでしょうか? 怒らないことが美徳とされる一方で、不当なことに対しては毅然とした態度をとるべきだとも言われます。本書は、怒りの正体を探り、上手に向き合うことで、自分自身をより深く理解し、賢く怒る方法を学ぶための一冊です。
第Ⅰ部では、怒りがどのように生じるのか、またそれがどのような価値を持つのかを掘り下げます。「怒らない技術」と「怒る技術」の違いを考え、怒りの背景にある「癒し」や「正義」といった要素に光を当てながら、怒りの本質に迫ります。また、怒りは単なる感情ではなく、時に傷つきの裏返しであること、さらには社会的な「男らしさ」や権力構造とも結びついていることを明らかにします。
第Ⅱ部では、怒りの原因を理解し、どのようにそれをコントロールするかを探ります。世代間で受け継がれる怒りのパターンや、SNS社会における不寛容の蔓延、相手の怒りを受け止める方法など、多角的な視点から怒りを見つめます。さらに、怒りが湧かないことの問題や、理解されない怒りがもたらす孤独感についても触れ、日常生活で怒りとどう向き合うべきかを考えます。
第Ⅲ部では、怒りをより建設的に使うための具体的な方法を紹介します。例えば、DESC法(相手に「伝わる」怒りの表現法)や、怒りとともにとどまるマインドフルネス、セルフ・スージング(自分を落ち着かせる方法)など、実践的なテクニックを取り上げるほか、怒りが時に親密さを生むことや、他者を変えるための効果的な注意の仕方にも触れ、怒るべき場面とそうでない場面の見極め方を指南します。
怒りを単なるネガティブな感情と捉えるのではなく、自分自身を知り、人間関係をより良いものにするための力として活用することができれば、人生はもっと豊かになります。本書を通じて、「怒りを押さえ込む」のではなく、「賢く使う」方法を学ぶことができます。