内容
医学と数学の交差点から発がん現象の本質に迫る
●医学の進歩にもかかわらず、なお人類を脅かし続けるがん。本書では、体細胞の突然変異の蓄積からがん細胞の出現までを数理科学の視点で解説する。
●サイコロやコイン投げといった初等確率論から、発がんのプロセス、薬剤耐性や転移といったがん細胞の振る舞いに至るまで、進化論的な観点から理解できることを示していく。
【目次】
1.発がんのプロセス
確率の基礎理論
2.確率論の基礎・初等確率
3.確率論の基礎・連続型の確率変数
4.条件付確率とベイズの定理
5.ベイズ更新とベイズ統計
6.二項分布
7.ポアソン分布,指数分布
確率過程の基礎理論
8.決定論的過程と確率過程
9.ランダムウォーク
進化論への応用
10.進化論の基礎
11.ハーディー・ワインベルグの法則
12.適応的進化
13.分子進化の中立説
14.ライト・フィッシャーモデル
15.ライト・フィッシャーモデルの期待値・分散と固定確率
発がんプロセスへの応用
16.モランモデル
17.モランモデルの期待値・分散・固定確率
18.固定までの待ち時間
19.複数の突然変異
20.発がんは体細胞の進化のプロセス