より理解を深める!体液電解質異常と輸液 改訂4版
柴垣 有吾 著
内容
目次
目次 第1章 体液恒常性維持のメカニズム A.腎臓の構造と尿生成 B.腎臓と体液恒常性維持(人はどの位水を飲むことができる?) C.体液の組成と分布 1.体液の体内分布 2.年齢・性別・肥満度による体液量の変化 3.体液を構成する溶質とその量・濃度の関係 D.体液恒常性維持のメカニズム 9 E.腎機能低下患者における体液電解質異常の特徴 総論 1.腎機能低下患者における体液電解質異常の疫学と特徴:電解質異常は両方向性である 2.保存期CKD患者は高齢フレイル患者が多いことも体液電解質異常の頻度が高い一因である 第2章 水代謝・ナトリウム代謝異常の診断と治療 A.水・Na(塩)代謝の進化論 1.脊椎動物の上陸に対する適応 2.進化に適応した尿生成 3.ヒトは水や塩の不足には対応能力が高いが,過剰には対応能力 (塩分過剰摂取や輸液がもたらす弊害) B.水・Na代謝と体液の生理 1.体液移動の原則 2.浸透圧と張度の違い 3.血漿浸透圧・張度と膠質浸透圧の違い 4.血管内外の水の移動のメカニズム 5.自由水とは何か? 6.尿における張度と自由水の概念 7.細胞外液量・細胞内液量とNa・水の関係 C.Naバランス調節系(細胞外液量調節系)の生理 1.Naバランス調節(腎Na排泄)のメカニズム a.レニン—アンギオテンシン—アルドステロン系 b.Na利尿ペプチド系 c.抗利尿ホルモン系,口渇 d.筋原反応・糸球体尿細管バランス・尿細管糸球体フィードバック 2.Na・バランス調節の新しい概念 D.Naバランス調節系(細胞外液量調節系)の異常とその治療 1.Na過剰(細胞外液過剰症)の病態生理 2.浮腫形成の仕組み a.静水圧の差 b.膠質浸透圧の差 c.リンパによる循環血液への回収 d.各疾患での浮腫形成の病態生理 3.Na過剰(細胞外液過剰症)の診断 a.バイタル・サインによる診断 b.身体診察による診断 c.検体検査による診断 d.生理検査による診断 4.Na過剰(細胞外液過剰症:浮腫・胸腹水)の身体への悪影響 5.Na過剰(細胞外液過剰症:浮腫・胸腹水)の治療 a.治療の原則 b.治療の実際 E.利尿薬の使い方 1.利尿薬の作用機序 2.ループ利尿薬の臨床薬理学:総論 3.ループ利尿薬の臨床薬理学:各論(病態による薬物動態の違い) 4.利尿薬抵抗性(ループ利尿薬抵抗性)とその問題 5.利尿薬抵抗性(ループ利尿薬抵抗性)の原因とその対策 a.サイアザイド b.アセタゾラミド c.MR拮抗薬(スピロノラクトン) d.V2受容体拮抗薬(トルバプタン) e.Na利尿ペプチド,サクビトリル,SGLT2阻害薬 6.各病態における利尿薬による治療の実際 a.心不全 b.ネフローゼ症候群 c.肝硬変 d.高血圧 e.その他 7.利尿薬の副作用 酸塩基・電解質異常 F.Na欠乏(細胞外液量欠乏症) 1.Na(細胞外液)量欠乏症の診断 a.身体所見 b.バイタルサイン c.血液・尿検査 d.生理検査(超音波,循環動態モニタリング) 2.身体・検査所見の診断能 3.治療 G.水バランス調節系の生理 1.脳におけるADH・口渇の調節 2.腎での尿の希釈・濃縮機構 a.尿希釈の仕組み b.尿濃縮の仕組み 98 H.水バランス調節系の異常(低Na血症,高Na血症) 1.溶質と水の関係(血清Na濃度は張度を反映する) 2.低Na血症 a.低Na血症の病態生理 b.低Na血症の鑑別診断 c.低張性低Na血症の鑑別診断 d.低張性低Na血症の症状 e.低Na血症の治療を始める前に… f.高度and/or症候性低Na血症治療の実際(総論) g.慢性無症候性低Na血症の治療 3.高Na血症 a.高Na血症の病態生理 b.高Na血症の診断と鑑別診断 c.高Na血症の症状 d.高Na血症の予後 e.高Na血症の治療 4.多尿性疾患 a.多尿の鑑別診断 b.塩利尿 c.浸透圧利尿〔塩利尿以外;ブドウ糖,尿素,外因性物質(マニトール等)の尿排泄による〕 d.水利尿(中枢性尿崩症・腎性尿崩症・トルバプタン・心因性多飲)の鑑別 第3章 カリウム代謝異常の診断と治療 A.K代謝の生理 1.Kの分布 2.K代謝のオーバービュー a.K濃度の決定因子 b.K出納による細胞外K濃度の調節 c.細胞内外のK濃度調節(Kの急性調節機構) 3.腎におけるK排泄とその調節(Kの慢性調節機構) 4.K代謝の検査 5.K代謝異常における症状・所見 a.Kと静止膜電位および活動電位閾値 b.高K血症の症状・所見 c.低K血症の症状・所見 d.K濃度異常における心電図変化・心所見 B.K代謝の異常 1.高K血症 a.高K血症の疫学・予後 b.高K血症に対する生体防御機構 c.高K血症の原因 d.高K血症に対する診断・治療的アプローチ 2.低K血症 a.低K血症の疫学と予後 b.高度低K血症(<2.5 mEq/Lあるいは症候性)への対応 c.慢性期の低K血症の鑑別診断 d.慢性期の低K血症の治療 第4章 酸塩基平衡異常の診断と治療 A.酸塩基平衡の生理 1.酸塩基とは 2.酸塩基平衡異常の何が問題なのか? 3.酸の処理機構の概観 4.酸の産生 5.緩衝系(バッファー)とは何か? 6.腎での酸排泄の仕組み a.近位尿細管におけるHCO3-の回収 b.遠位尿細管,皮質集合管におけるH+の分泌(酸の正味の排泄) 7.腎における酸排泄調節因子 a.細胞外液pH b.有効循環血漿量 c.細胞外液K濃度 B.血液ガスの読み方 1.血液ガスの基礎知識 a.Henderson—Hasselbalch式 b.pHからの[H+]の概算方法 c.Henderson—Hasselbalch式の応用 d.血液ガスの測定法 e.静脈血の血液ガス f.静脈血液ガスを利用するに当たっての注意点 g.重炭酸イオン濃度(HCO3-)の指標としての[Na]-[Cl] 2.血液ガスの用語の定義 a.アシデミア b.アルカレミア c.アシドーシス d.アルカローシス e.アニオン・ギャップ 3.アニオン・ギャップ(AG)から酸塩基平衡機構の本質を理解する a.蛋白代謝による生理的に産生される不揮発性酸(リン酸,硫酸など) b.トルエン中毒(馬尿酸塩)の場合 c.乳酸アシドーシスの場合 d.ケトアシドーシスの場合 C.血液ガスの読み方の実際 1.病態からある程度の酸塩基平衡異常を予測しよう 2.血液ガスのデータが正しいかチェックしよう 3.アシデミアかアルカレミアかをチェックしよう 4.アシデミア(あるいは)アルカレミアは代謝性変化によるものか,呼吸性変化によるものか,あるいは両方かをチェックしよう 5.AGを計算して,高AG性代謝性アシドーシスの有無をチェックしようこの際AGが上昇していたら,補正重炭酸イオン濃度を計算して合併する代謝性酸塩基平衡異常の有無をチェックしよう 6.代償性変化が予測の範囲内にあるかどうかをチェックして,合併する酸塩基平衡異常の有無をチェックしよう D.酸塩基平衡異常の原因 1.代謝性アシドーシス a.代謝性アシドーシスの鑑別診断 b.代謝性アシドーシス各論 2.代謝性アルカローシス a.代謝性アルカローシスの成因・病態生理 b.代謝性アルカローシスが維持されるメカニズム c.代謝性アルカローシスの鑑別診断 3.呼吸性アシドーシスと呼吸性アルカローシス a.炭酸ガスの産生と排泄 b.呼吸性酸塩基平衡調節の中枢性メカニズム c.呼吸性酸塩基平衡調節における緩衝作用(バッファー) d.呼吸性アシドーシスの病態生理と原因疾患 e.呼吸性アシドーシスの診断 f.呼吸性アシドーシスの症状 g.呼吸性アシドーシスの治療 h.呼吸性アルカローシスの病態生理と鑑別診断 i.呼吸性アルカローシスの診断・代償性変化 j.呼吸性アルカローシスの症状 k.呼吸性アルカローシスの治療 E.代謝性酸塩基平衡異常の治療(一般論) 1.代謝性アシドーシスの治療 a.はじめに b.なぜ治療が必要なのか? c.治療を開始する前に考えよう d.治療の実際 2.代謝性アルカローシスの治療 a.はじめに b.なぜ治療が必要なのか? c.治療を開始する前に考えよう d.治療の実際 第5章 カルシウム・リン・マグネシウム代謝異常の診断と治療 A.Ca代謝の生理 1.Caの出納 2.腸管でのCa吸収機構 3.骨でのカルシウム・ハンドリング(骨吸収と骨形成) 4.腎でのCa排泄機構 5.血清Ca濃度の調節機構 6.Calcium Sensing Receptor(Ca感知受容体) 7.イオン化Caと補正Ca濃度 B.高Ca血症 1.高Ca血症の診断 a.高Ca血症の鑑別診断 b.各種血液・尿検査の詳細 2.高Ca血症の症状・所見 3.高Ca血症の治療総論 a.食事(Ca摂取制限)や薬剤の制限・中止 b.尿Ca排泄促進・細胞外液量低下/過剰の是正(等張液投与,ループ利尿薬) c.骨Ca融解抑制 d.その他の薬剤 e.血液・腹膜透析による強制的Ca除去 4.高Ca血症の原因疾患:各論 a.ビタミンD and/orCa摂取過剰(カルシウム・アルカリ症候群/ビタミンD中毒) b.悪性腫瘍関連高Ca血症 c.原発性副甲状腺機能亢進症 d.不動(immobilization:長期臥床・ねたきり) e.細胞外液量欠乏(横紋筋融解症・高強度運動) f.薬剤性(サイアザイド,リチウム,ビタミンAなど) g.その他 C.低Ca血症 1.低Ca血症の症状 2.低Ca血症の鑑別診断 3.低Ca血症の原因疾患 a.腎機能低下 b.副甲状腺ホルモンPTH分泌低下(副甲状腺機能低下症) c.副甲状腺ホルモン抵抗性(偽性副甲状腺機能低下症) d.活性型ビタミンD欠乏・作用低下 e.骨へのCa蓄積亢進(Hungry bone症候群) f.アルカローシスによる低イオン化Ca血症 g.薬剤性低Ca血症 4.低Ca血症の治療 a.軽度・無症候性低Ca血症(補正Ca濃度>8 mg/dL) b.高度・症候性低Ca血症 c.慢性低Ca血症 D.P代謝の生理 1.Pの出納 2.腸管でのP吸収機構 3.腎でのP排泄機構 4.血清P濃度の調節機構 E.高P血症 1.高P血症の発現機序と原因疾患 2.高P血症の鑑別診断 3.高P血症の症状 4.高P血症の治療 F.低P血症 1.低P血症の発現機序と原因疾患 2.低P血症の鑑別診断 3.低P血症の症状 a.急性低P血症 b.慢性低P血症 4.低P血症の治療 G.Mg代謝の生理 1.Mgの体内分布,働きと体内出納 2.血清Mg濃度の調節機構 3.Mg異常症(欠乏症・過剰症)の診断 H.高Mg血症 1.高Mg血症の疫学,予後 2.高Mg血症の症状・所見 3.高Mg血症の原因 4.高Mg血症の治療 I.低Mg血症 1.低Mg血症の疫学,予後 2.低Mg血症の症状・所見 a.低K血症(腎からのK排泄増加) b.低Ca血症(PTH分泌低下・抵抗性,低ビタミンD状態) c.心血管作用 d.その他 3.低Mg血症の診断 a.低Mg血症はどのような状況で測定すべきか? b.低Mg血症の鑑別診断 4.低Mg血症の治療 a.高度あるいは症候性低Mg血症 b.無症候性低Mg血症 第6章 輸液(水電解質輸液)の基本 1.輸液が必要な状況とは? a,b.現時点で存在するNaの量と濃度の異常の是正(是 補充輸液) c.現時点での摂取不足や体液喪失により将来的に起こるN 濃度の異常の是正 2.輸液が必要でない状況とは? 3.輸液を理解するための基礎知識(体液生理の古典的概念)の復習 a.体液の体内分布 b.張度差による体液の移動 c.生理食塩水と5%ブドウ糖液の体内分布 d.全ての輸液製剤は生理食塩水と5%ブドウ糖液の混合し 考えられる A.是正輸液 体液バランスの回復のための輸液 1.どこに(WHERE)足りないのか? a.細胞外液の不足 b.細胞内液の不足 2.何が(WHAT)足りないのか? a.等張性脱水(血清Na正常の脱水) b.高張性脱水(高Na血症を伴う脱水) c.低張性脱水(低Na血症を伴う脱水) 3.どれ位(HOW MUCH)足りないのか? 4.是正輸液の実際:脱水症の治療 B.維持輸液:体液バランスの維持のための輸液 1.
カート
カートに商品は入っていません。